旅先などで聴いたクラシック演奏会 

 2004年(平成16年)以前  このまま下方にスクロールしてください。

 2005年(平成17年)  2006年(平成18年)  2007年(平成19年)  2008年(平成20年)  2009年(平成21年) 

 2010年(平成22年)  2011年(平成23年)  2012年(平成24年)  2013年(平成25年)  2014年(平成26年)

 2015年(平成27年)  2016年(平成28年)
 
  管理人の住む山形には、山形交響楽団という立派なプロのオーケストラがあります。最近は飯森範親氏が音楽監督を務めるようになって、その演奏も俄然面白くなっています。ただ、いかんせん2管編成標準装備なので、4管編成の楽曲は物理的に(「技術的に」ではない)演奏できないという 事情があります。マーラー、R.シュトラウス、ラヴェル、ストラヴィンスキーなどの大掛かりな作品の実演は、1度は聴いてみたいと以前から憧れていました。

  そのような中で、数ヶ月に一度は遊びで上京しているわけだし、そのときに在京のオーケストラを聴きに行けばいいんじゃん、と気づいたのはごく最近のことでした。
  それで、あまたある演奏会の中でも特にマーラーの交響曲に絞って聴きに行ってみることにしました。なぜマーラーかといえば、過去心酔していたこととあわせて、柴田南雄氏の著書「グスタフ・マーラー」(岩波書店1984年)に次の記述があり、実演に触れることをかねてから熱望していたから です。

  「さて、マーラーはレコードで聴くのとナマを聴くのでは、どうしても大差がある。(中略) 指揮者と、100人を越すオーケストラと大合唱団とが、聴き手と同じ時間と空間を共有して、時々刻々に生み出すその鮮烈な音空間、そこに生ずる音像、その色彩、運動、力は、どんな機械装置でも再現できるはずがない。」(p67〜)

  基本的には土日のマチネ(昼の興行)狙い。「夜の歌」「千人」などのレアものは、休暇をとって平日、または宿をとってソワレ(夜の興行)に臨むこともあります。
国内の楽団オンリー。外国のオーケストラは、人気が高いうえに値段も高く、お呼びでない。
  仙台フィルハーモニー管弦楽団は、ひと山越えれば聴きにいける手軽さがあります。一応、ここに記してはおりますが、「旅先」というほどのものでないので、別の色で区別しております。


   もちろん山形交響楽団の演奏会であっても、モーツァルト、ベートーヴェン、シューマン、ブルックナー、チャイコフスキー、シベリウスそのほか
  現代を含む実に多くの作品を味わえます。
  2管編成といえどもその間口は広く、奥は深いと思います。めったに演奏しない曲目も積極的に取り上げて、魅力は倍加しています。
  友の会会員として毎回の演奏会を味わっていますが、そのことについては、また別に機会があれば叙述したいと考えています。
  なお、旅行の帰途に聴いた山形交響楽団の演奏会については、行程表に概略を記しています。
  公式ホームページ  山形交響楽団│Yamagata Symphony Orchestra

  なお、コメント欄においては、基本的に曲目に関する解説はやっていません。ので、あらかじめその曲を聴き込んでないと何書いてんのかわかんないと思います。
  どうもすみません。
  でも、もし興味を持たれましたら、是非、様々なチャンネルを通して、曲を聴いてみていただければと思います。

  注 「出演者」欄の「C.M.」の表記   「コンサートマスター」
日  時 催事名称 会   場
出 演 者 演   目
コ メ ン ト
 
2002. 5. 5(日)
      14:00
第14回A.リード音の輪コンサート 文京シビックホール 大ホール(東京・小石川)     自由席
 指 揮

 
 吹奏楽
 
伊藤 透
アルフレッド・リード

音の輪ウィンド・シンフォニカ
2002
 第1部 A.リードのアレンジ曲
   ・威風堂々第1番  (エルガー)
   ・ノクターン  (スクリャービン)
   ・ローシオの行列  (トゥリーナ)
   ・歌劇「メリー・ウィドー」よりヴィリア  (レハール)
   ・雷鳴と稲妻  (J.シュトラウス)
 第2部 A.リードのオリジナル曲
   ・第7組曲「センチュリー オブ フライト」
   ・交響曲第3番
 首都圏で聴く初めてのコンサート
 
2003.10.24(金)
      19:00
NHK交響楽団
 第1497回定期公演
NHKホール(東京・渋谷)    B席 2階C13列2−番   
 指 揮
 ソプラノ
 アルト
 合唱
準・メルクル
ミカエラ・カウネ
リオバ・ブラウン
二期会合唱団
 ・マーラー   交響曲第2番ハ短調「復活」

 山形県の外で聴く初めての管弦楽演奏会。
 曲そのものが仕掛けがたくさんあって、観ていて面白いとは思いました。ドラの音が完全に消え入りおもむろに「原光」歌が始まるわけですが、チューニングなしで的確に歌うのには脱帽。終楽章191小節目でスネアドラムを3台も動員したり、打楽器奏者が外側からティンパニを叩いたり(310小節〜)。トランペットなどのバンダ(舞台裏演奏)は客席から見えないだけに「神秘的」という効果は十分伝わってきました。

 ただ、全体的にノリはイマイチ。第三楽章は、流れるべき音楽が淀んでいたし。オルガンのある高所で「遠くから響くホルン」(第5楽章43小節〜「大人数で強く」という指示がある!)をたった独りで吹いていた人、かわいそうなくらい緊張してました。音が震えそうになっているのを必死に抑えているのを聴くのは結構痛々しかった。
 なお、弦は対向配置でした。オペラグラスで舞台を望みながら聴いていましたが、テレビを見ているのと変わりがなかったですね。

 
 
2004. 1.25(日)
      14:00
東京フィルハーモニー交響楽団
 「午後のコンサート」第19回
東京オペラシティコンサートホール(東京・初台)
                       S席 22列0−番
 指 揮
 
 ナヴィゲータ

 友情出演
 

広上 淳一

頼近美津子

仲道 郁代(ピアノ) ※1
千住真理子(ヴァイオリン)
            ※2
奇想天外!感動とユーモアに満ちた休日のひととき
  〜山本直純さんの横顔〜
 ・山本直純  「マグマ大使」のテーマ
 ・山本直純  大河ドラマ「武田信玄」テーマ曲
 ・山本直純  「オーケストラのデモンストレーション」より
                           「楽しい管弦楽入門」
 ・ベートーヴェン(山本直純 変曲) ピアノ狂騒曲「ヘンペラー」より
                                                ※1

 ・メンデルスゾーン(山本直純 変曲)ヴァイオリン狂騒曲「迷混」より
                                                ※2

 ・ベートーヴェン(山本直純 変曲)   交響曲第45番「宿命」より
 ・山本直純  シンフォニック・バラード
 ・ラヴェル   ボレロ

 この演奏会の目的は、「ヘンペラー」「迷混」「宿命」の変曲三部作。変曲三部作については、前年4月に「山本直純フォエヴァー 〜歴史的
パロディコンサート〜」(COCQ83645/6 コロムビア)が発売されて、大いに話題になっていました。管理人が、そのときレコード店で注文したら
品切れ状態だったくらいで。
 しかしプログラムではいずれも○○」よりとなってて、抜粋しか聴けないのではという気がかりがあったのですが、とりあえず「ヘンペ
ラー」は全曲演奏。「迷混」は、チャイコンとメンコンの終曲をとっかえひっかえして弾く箇所2分間だけ(譜面は散逸したのだとか)。「宿命」
は継ぎ接ぎを、更に継ぎ接ぎして5分くらい。

 ところで仲道郁代さんが演奏前にこんなこと言ってました。
「普段、(暗譜を確認するために)弾いている曲と全く違うCDをかけながら指さらいをしますが、本番でこれが役立つとは思わなかったです」
 この話を聞いて、私はチャールズ・アイヴズのことを思い起こしたのですが、聴いてみると「ヘンペラー」という曲、次々繰り出される名曲のサ
ンプル版という側面があることに気づきました。カデンツァを取りそびれる指揮者と「Freude」の絶叫は、生でもインパクトがありましたね。

 一方、千住真理子さんのコメント。
「先週、協奏曲の本番が終わってから『迷混』を手がけました。あんまりこの曲にのめりこんで、まじめな本番で自分の人生をめちゃくちゃにした
くないと思っています」(客席 爆笑)
 私も、このごろ普通に協奏曲を聴いていて、不意に脳裏にパロディが聞こえてきてズッコケそうになるときがあります。私は(山本直純さんの
亡霊が現れて「がはは」と笑った)と表現していますが、ある意味毒気が強い音楽だと思います。
 メンコンとチャイコンの終曲のテーマ、繋いでわかる類似性。移調もしないで一本にできる意外性。これは変曲者の勝ち、独奏も華麗でしたしね。

 原曲をつぶさず、からかい半分でパロディに仕立てていくのも、意外とセンスを要する作業だと思いますし、そして、それを聴衆に伝える演奏者
も、名手がそろって(しかも手を抜かずに取り組んで)はじめて「とぼけた」味わいが生きてくると思います。更に曲に個性や演奏者の個性のほか
にも、衣装や立ち振る舞いなどいわゆる演出の個性もあわせて、3つが絶妙にかみ合えば、演奏会ごとに違った特色を楽しめるのでしょうね。心楽
しいひとときでした。
 
 
 
2004. 3.28(日)
      14:00
日本フィルハーモニー交響楽団
 第290回名曲コンサート
サントリーホール(東京・赤坂)    S席 2階C4列2−番
 指揮とお話

 ナヴィゲータ

 ゲストC.M.(注)
外山 雄三

渡辺  徹

西江 辰郎
オーケストラの「秘密の部屋」探検!!
 第一の部屋  調性の不思議
   ・モーツァルト 歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲 ほか
 第二の部屋  目立たない楽器の大活躍
   ・Fg ・CFg ・BCl ・Tuba ・VnU ・Va ・CB
 第三の部屋  コンサートマスターの役割
   ・ヴェーバー   歌劇「魔弾の射手」序曲
   ・R.コルサコフ 交響組曲「シェエラザード」

 上質な笑いというものは、後に何も残らないものです。渡辺徹さんの話術にすっかり嵌って抱腹絶倒したのはいいんだけど、はて、何をどのように演奏したんだっけ? ただ、第2部のチューバのソロが、幻想交響曲のフィナーレだったんだけど、主役よりカリオン(「幻想」専用の立派なもの)の方が目立ってたっけなと。休憩時間にPブロックまで回って実物を間近に見てきました。

 ちなみに、ファゴットはデュカス「魔法使いの弟子」、コントラファゴット ラヴェル「マ・メール・ロア」第4曲、バスクラリネット グローフェ「大峡谷」山道を行く、第2ヴァイオリン モーツァルトの曲など、ヴィオラ ベートーヴェン第9など、コントラバス マーラー交響曲第1番第3楽章 のさわりの部分でした。

 コンサートマスターは、当初予定の演奏者が病気でキャンセルとなり代役を立てたのでしたが、若手ながら難曲を手堅くまとめていたと思います。
 サントリーホール、今回初めてでしたが、「まろやかでこくのある」響きとはこういうものかと感じ入った次第。
 
 
2004. 5.30(日)
      14:00
東京都交響楽団
 マーラー・シリーズ 2000〜2004
横浜みなとみらいホール 大ホール    S席 1階C17番1−番

 指 揮
 
ガリー・ベルティーニ  ・マーラー   交響曲第9番ニ長調

 何気なく、前年暮れにチケットを確保。届いたチケットを目の前にして、半年も先、本当に無事に聴きにいけるのかしら? 事故・病気・バチなどあたらないように、品行方正に努めていたのが懐かしい。

 当日は満員御礼、当日券の発売なし(なんかさすがにちょっとすごい)。それにしてもパンフレットはA4サイズのひと回り小さい用紙を二つ折りしただけのシンプルなもの。「音楽はただ響きにのみ語らせよ」というポリシーをそこに感じました。入り口にあった案内の通り、90分近く当然休憩は入らないわけで、厠に行って身も心も調えて席に着きました。(演奏する方も大変だが、聴く方も気合が要るのです、マーラーの演奏会の場合は。)

 で、演奏者の仕事として刻々展開されていく響き、生き生きとしたマーラーの響きを初めて目の当たりにしました。ロンド・ブルレスケでは遂に圧倒されて、思わず「スゲエ!」と口をついてしまいました。しかしクライマックスは何も最強奏ばかりではあるまい。この曲の終楽章の最後の音が消えるのにあわせて、指揮者は両腕を真上に掲げて静止、静寂。ゆっくりとおろして、弛緩した瞬間に拍手の嵐、スタンディングオベーション。「ブラボー!」「マーラー!」の連呼。

 シリーズの最終回、ベルティーニ氏のマーラー全部を聴いた人も多いんだろうな、うらやましいね。と考えながら、会場を後にしました。
 港を歩きながら、今聴いたばかりの響きを反芻しました。そしてそれがたった2千人の聴衆だけが享受した音楽であったことに思いを致しました。また次の2千人に自分は加われるだろうか。
 弦は左高右低型。


 その後の尾ひれ
 翌年3月にベルティーニ氏は他界。文字通り日本における最後の演奏会になってしまいました。
 そしてCD(FOCD9259/60 フォンテック)がリリース。数多くの賛辞で迎えられます。
 管理人にとってこの演奏会は、ベルティーニ氏との最初で最後の本当に幸運な出会いだったと思います。千載一遇。一期一会。
 
 
2004. 9. 4(土)
      18:00
日本フィルハーモニー交響曲
 横浜定期200回記念演奏会
横浜みなとみらいホール 大ホール    A席 3階3列1−番
 指 揮
 ソプラノT
 ソプラノU
 ソプラノV
 アルトT
 アルトU
 テノール
 バリトン
 バス
 合唱
 児童合唱
 オルガン
広上 淳一
菅 英三子
野田ヒロ子
半田美和子
森山 京子
竹本 節子
福井  敬
谷  友博
長谷川 顕
日本フィルハーモニー協会
NHK東京児童合唱団
長井 浩美
 ・マーラー   交響曲第8番変ホ長調「千人の交響曲」

 この年、マーラー「千人の交響曲」の当たり年だったようで、首都圏辺りでは、5月のベルティーニ/都響(さいたま・横浜)、7月のミューザ川崎柿落とし(本演と追演)、9月の日本フィル横浜定期200回記念と目白押しでしたね。
 私は今回、幸運にも(台風、地震の直撃もなく)、日本フィルの演奏に触れることができました。

 演奏者数はざっと500人くらい(合唱250、児童合唱150、オケ100余、ピッコロ1人、ティンパニ 2組)かなぁ。とは言うものの、第一部、第二部のコーダでの背中ゾクゾク度なんて、六畳一間でステレオのボリュームをいじって聴くのとは比べ物にならない。翻って、曲中、たった3人の奏者がPPPで響きを紡ぎ出す瞬間もあったわけで、それはそれで精緻なアンサンブルもじっくり堪能できました。
 要するに、2,000人規模のホールであれば、演奏者500人までが適正なのだろうな。「千人の・・」というタイトルは、実感としてすごく口はぼったく感じます。これは一つの発見ではありました。

 余談ながら、第一部のコーダ、合唱団全員が思いっきりffで歌うとき、舞台周辺では酸素濃度が格段に薄くなるらしい。第二部の始めで倒れる合唱団員が何人か出てしまいました。本当に千人を集めるのなら、野外で演奏した方がいいのかもしれない。

 
 
2005. 1. 8(土)
      15:00
東京フィルハーモニー交響楽団
 響きの森クラシックシリーズVol.10
文京シビックホール 大ホール(東京・小石川)
                       S席 2階9列2−番
 指 揮
 メゾ・ソプラノ
 女声合唱
 児童合唱
チョン・ミョンフン
寺谷 千枝子
東京レディース・コーラス
東京少年少女合唱隊
 ・マーラー   交響曲第3番ニ短調


 アシスタント含みで9本にもわたる冒頭のホルン・ユニゾンとか、息の長いTrbソロ、第三楽章のポストホルンだとか、ゾクゾク・わくわくでありました。100分もぶっ続けで演奏するだけに、後半アインザッツがそろわず「あれっ疲れたかな」と思う瞬間があったにしても、響きの質は終りまでまずは高水準だったと思います。
 ところで、第4楽章始めと終わりの低弦がほとんど聴こえてこなかったのは、2階席だったからでしょうか。

 私事ですが、高校2年の冬、この曲に親しみながら、「千曲川のスケッチ」などを読んで、信州の風物への関心を深め、憧憬を募らせていたことを思い起こしました。演奏会の帰り道、瑞々しい初夏になったら再び信州を訪れてみたいとの思いを新たにしました。
 

 上に戻る
2005. 3.20(日)
      14:00
大阪フィルハーモニー交響楽団
 第42回東京定期演奏会
サントリーホール(東京・赤坂)    S席 1階20列2−番
 
 指 揮
 
大植 英次  ・マーラー   交響曲第6番イ短調「悲劇的」

 前回、文京シビックホールに行って渡されたチラシの束。その中に含まれていた梶本音楽事務所の冊子から見つけた演奏会

 大植氏の指揮は非常に気迫にあふれたものであり、大阪フィルも、それをがっちり受け止めて、上滑りすることなく音の綾を紡ぎだしていた演奏と感じました。上滑りしないという意味での響きの摩擦感、抵抗感、緊迫感が非常に心地よかったと思います。

 第1楽章、通常は速度の変化をつけない解釈の多い箇所で、ガクンと遅くなった(158小節〜)ので、楽譜を見たら「Nicht eilen」(急がずに)と書いてありました。最後は、トライアングルが3本も活躍するのですね、びっくり。
 スケルツォは気楽に味わうことができました。
 アンダンテ・モデラートでは、60小節め過ぎあたりから涙腺が緩み始め、結尾では感極まって嗚咽に近い状態になってしまいました。終楽章が(アタッカにせず)充分に時間を確保したうえで始められたのは、非常にありがたかった。
 終楽章は、大上段にハンマーが振り下ろされる瞬間、思わず「やったぁ」と小声で叫んでしまった。シンバルが2人の奏者で打たれた箇所(724小節)では、「複数のシンバルで」と指示がある。楽団員精魂傾けた演奏を観察するのは、管楽器のベルアップなどとともにLP・CDでは決して味わえない楽しみのひとつだと思います。チェレスタの音色がなぜか無骨で、まるで違う楽器のようでした。
 弦は左高右低型、スケルツォ→緩徐楽章の順。

 この日、隣の小ホールではバッハの「結婚カンタータ」復元演奏会があって、新聞ではこちらの話題でもちきりだったようです。


 幸い、この演奏についてもCDがでています(FOCD9253/4 フォンテック)。
 
 
2005. 6.26(日)
      15:00
東京フィルハーモニー交響楽団
 第709回定期演奏会
Bunkamuraオーチャードホール(東京・渋谷)
                        B席 2階7列2−番
 指 揮 岩城 宏之  ・レスピーギ  交響詩「ローマの噴水」
 ・レスピーギ  交響詩「ローマの祭」
 ・レスピーギ  リュートのための古風な舞曲とアリア第3組曲
 ・レスピーギ  交響詩「ローマの松」

 行くか行かないか決めるのが遅かったので、後ろの席の端っこで聴きました。
 音楽が静かになったところで、咳が出てきてしまうのに閉口。落ち着いて味わえなかった憾みが残りました。2階席最前列の両翼にバンダが待機して、祭と松で一発。小さなモニターディスプレーを目の前に置いて、指揮に合わせていたようです。最後のクライマックスは、仕掛けどおりでゾクゾクしました。


 岩城 宏之氏は、翌年6月に他界。管理人にとって最初で最後の実演体験となりました。
 
 
2005.10.22(土)
      19:00
仙台フィルハーモニー管弦楽団
 第205回定期演奏会
仙台市青年文化センター コンサートホール    S席 Q列1−番
 
 指 揮
 
尾高 忠明  ・モーツァルト 葬送の音楽K.477
 ・マーラー   交響曲第9番ニ長調 

 今回の演奏会では、楽団の理事長が9月に他界されたのを受けて、さきだって追悼曲としてモーツァルト 「葬送の音楽」 K477が演奏されました。マーラー第9番、殊に終楽章は、個人的には「追悼曲」として聴くことが多いのですが、このこともあって本番は大変印象深いものとなりました。終演後、ロビーで「プログラムのマーラーも追悼曲のようだった」と感想を述べると、楽団員も同じような感慨を持っていたようでしたね。

 4管編成が載るには舞台がちと狭い感じでしたが、弱音がクリアにダイレクトに聴こえて、これはこれで贅沢かも。また、金管などffに任せて吹かせたら、飽和状態になってやかましくなりそうなところ、音圧を殺さずにスマートに響きをコントロールするうまさも際立っていました。

 全曲の最後の5分間は、余韻嫋々としていて演奏者はかなりの緊張を強いられるんだそうですが、聴く方も結構怖い思いをします。まして、一週間前に風邪を引いた病み上がりでは、いつ自分のノドが暴発するか気が気でなかった。第1楽章で、隣のご婦人からトローチを譲り受けて命拾いしましたが、ホント拍手が入るまで心臓がバクバクいっていました。
 マーラーの交響曲第9番の実演を聴くときは、絶対に風邪を引かないでください。
 しかし実に美しい演奏でした。左高右低型。
 
2005.11.13(日)
      14:00
オーケストラ・アンサンブル金沢 横浜みなとみらいホール 大ホール    S席 1階C24列1−番
 指 揮
 メゾ・ソプラノ
 テノール
エルヴェ・ニケ
白井 光子
クリストフ・プレガルディエン
 ・モーツァルト 歌劇「フィガロの結婚」序曲
 ・モーツァルト 交響曲第31番ニ長調「パリ」K.297
 ・マーラー(シェーンベルク&リーン編)  「大地の歌」

 K.297の冒頭4小節に見られる全奏のダイナミックのつけ方が独特。はじめの2小節ffののち、スビト・ピアノ、クレッシェンド、スフォルツァンドでパッセージを演奏するもので、もちろんスコアには指示はありません。

 「大地に歌」、編曲版はそもそもが弦楽四重奏+木管五重奏がベースとなっているようです
(弦552+ピアノ+ハーモニウム)。指揮者の意向で、弦楽重奏を弦楽合奏に拡大して室内管弦楽としての体裁で演奏されました。木管は1本づつでも欠落した印象はあまりないにしても、トランペットがないのはやはり変。またチェレスタを加えるのなら、マンドリンもはずさないで欲しかった。極限まで響きを削り落とした演奏を聴き、原曲自体が独唱の伴奏としては厚すぎるのかも知れないとまがりなりに感得しました。

 ところで、聴衆の中に演奏会での振る舞いを知らない人がいたのが残念。K.297の楽章間で、無意味な拍手を叩いて失笑を買っていただけにとどまらず、「大地の歌」の終楽章の最後、余韻を味わうべきところで、堂々とフライングをしやがった。指揮者も恨めしそうな表情で客席を睨んでいましたっけ。このことを友人に話したら、「ロビーにつまみ出して、
『袋叩き』にすべきだな」と言ってました。
 
 
2006. 2.19(日)
      15:00
東京フィルハーモニー交響楽団
 鎌倉特別演奏会
鎌倉芸術館大ホール    A席 1階12列2―番

 指 揮
 
チョン・ミョンフン  ・マーラー   交響曲第9番ニ長調

 本番に先駆けて、特別公開リハーサルを観ました。12:30〜13:30(先着200名)。1階席のちょうど真ん中で聴きました。各楽章の一部を通し演奏。その後、質問コーナー。響きの質としては期待が持てると思っていました。

 本番で確保した席は、リハーサルで座った席より10列ほど前の列。ところがここがだめ。金管の響きが直に刺さるのに、弦の響きははるか頭上を素通りしてしまう。目の前でコンサートマスターが一生懸命にリードしているのが見えるのに、ブレンドされない生煮えの響きにすっかり消沈してしまいました。今後は決して前列のチケットは買うまいと決意を新たにしました。
 ところで、終楽章の155小節目のチェロのソロ、こんなに近いのに、全然音が聴こえませんでした。音量を極端に絞るのも表現のひとつなのでしょうが、聴こえるものが聴こえないとやはり苛立ちを感じてしまいます。左高右低型

 
 上に戻る
2006. 3.19(日)
      15:00
東京都交響楽団
 多摩特別演奏会
パルテノン多摩(東京・多摩)    S席 1階21列2―番
 指 揮
 オーボエ
 メゾ・ソプラノ
 ソロ C.M.
広上 淳一
宮本 文昭 ※1
林 美智子 ※2
矢部 達哉
 ・モーツァルト オーボエ協奏曲ハ長調K.314(285d)   ※1
 ・マーラー   交響曲第4番ト長調「大いなる喜びへの讃歌」
                                   ※2

 2日後にサントリーホールでも同じくマーラーを演奏するのですが、モーツァルトが別の曲(交響曲第31番K.297(300a)とレチタティーヴォとロンドK.505)に差し替え。どっちを聴くかといえば、やはり宮本さんのオーボエを聴きたい。しかも日曜日(これが重要)ということで多摩モノレールでやってきました。

 一年後にオーボエの演奏から退くことが明らかにされている中で、管理人がその実演を聴く(ほぼ確実に)最後の機会。舞台の下手から大股で「どーもー、ミヤモトでーす」という感じで、独奏者が入場。モーツァルトの華麗な響きを自家薬籠中のものとして軽快に紡ぎだしていきました。

 マーラーも実に幸福感の横溢した演奏だったと思います。ところで、第1楽章254小節目4拍目が8分休符のゲネラル・パウゼになっているのですが、この一瞬の隙間に全く響きを残さず、前後の旋律をクリアに聴かせたのが印象的。どのCDを聴いても微妙に余韻が入っており、どのような仕掛けを施したのか、未だに不思議。


 ロビーで、先のベルティーニのマーラー第9番がCDになっていることを知る。
 
 
2006. 8. 6(日)
      14:00
東京交響楽団 
 名曲の旅シリーズ第21回
サントリーホール(東京・赤坂)  S席 2階C 3列2−番
 指 揮
 ソプラノ
 メゾ・ソプラノ
 混声合唱
 ゲストC.M. 
飯森 範親
カトリオーナ・スミス
ヘレン・ラナーダ
東響コーラス
高木 和弘 
 ・モーツァルト 歌劇「フィガロの結婚」K.492から
    「序曲」、「恋人よ早くここへ」、「奥様どうぞお先へ」
 ・モーツァルト 「レクイエム」k.626から「怒りの日」、「ラクリモーサ」
 ・マーラー   交響曲第2番ハ短調「復活」

 移動する列車の選択を誤り、汗だくでホールに着いたのは14:03頃。幾人もの係員の方が手を差し示して会場に案内してくださいました。
しかし、会場に入った時点で、団員がそろい指揮者登場、着席はもうできません。すると、係員の方がスツールを用意してくださいました。そこは幸い客席の谷間で聴衆からは見えない場所だったので、気兼ねなく扇子を用いることができました。舞台も見えて、響きも申し分なし。ある意味怪我の功名だったと思いました。一曲終わると、遅れた方々がどどっと入場。皆さん立席で観ている中で、管理人だけ座っててゴメンナサイね。

 モーツァルト、せっかく合唱団やソリストがいるんだから・・・ ということではないとは思うが、盛り込みすぎではないかい? (でもこの選曲で管理人は救われました。ありがたいことです)

 マーラーは、のっけからすごく遅い。このテンポ設定、寡聞にして知りません。しかし粘りに粘って熱く語ろうという意思は感じ取れました。第1楽章が終わって、指揮者が降壇し、ソリストを迎えたと思いましたが、記憶違いだったらごめんなさい。続く第2楽章、アンダンテ・モデラートなのにもっとゆっくり。これでもマーラーだよなと念じながら聴いていました。第3楽章以降は通常範囲内のテンポになってきたかな。2つ隣にいた御仁、終楽章162小節以降の箇所で、握りこぶしを作って独りで浪花っていましたね。管理人としては、打楽器のクレシェンドから始まる行進曲風の箇所(191小節〜)に惹かれます。
 まっことユニークな演奏ではありましたが、堪能させていただきました。なお、弦は対向配置でした。

 
2007. 5.12(土)
      15:00
仙台フィルハーモニー管弦楽団
 第219回定期演奏会
仙台市青年文化センター コンサートホール    S席 T列2−番

 指 揮
 
尾高 忠明  ・ブルックナー 交響曲第8番ハ短調(ハース版)

 
意表をついて「ハース版」でした。音友のスコア(1890年稿ノーヴァク版)を持っていきましたが、第3楽章と終楽章でスコアに違いがあります。
 この第8番について、管理人はCDの好きな部分をつまんで聴いていたので、長〜〜い第3楽章が終わった時点でへろへろになってしまいました。
終曲コーダの圧倒的な金管の咆哮を堪能しながらも、気持ちの何割かは「これでやっと終わる!!」(爆)
 演奏自体はとってもすばらしかったです。どちらかといえば通好みの曲ゆえ、普段、丁寧な聴き方をしてないとついていけないかも。
 
 上に戻る
2007. 8.19(日)
      14:00
 
第35回全国アマチュアオーケストラ
フェスティバル inやまがた酒田
 フェスティバルコンサート
酒田市民会館 希望ホール     自由席(2階)
 
 指 揮
 ゲストC.M.
 管弦楽

 指 揮
 ゲストC.M.
 管弦楽 

井ア 正浩
三浦 章広
フェスティバルオーケストラA

本名 徹次
高木 和弘
フェスティバルオーケストラB

 ・バルトーク  管弦楽のための協奏曲



 ・マーラー   交響曲第9番ニ長調  

 マーラーの交響曲第9番、山形県内で演奏されるのはたぶん初めてではないのかな。山ひとつ自家用車で越えて聴きに行きました。


 バルトークは、管弦楽演奏を趣味にしている人みんながやってみたい曲だと聞いたことがあります。以前、今回とは別の話ですが、学生演奏家向けの催事で委嘱された指揮者が「本当に大丈夫?」とき聞き返す場面をTVで見た記憶があります。そのときは「やります、できます、やってみせます」の意志が勝ったすばらしい演奏だったのですが、こんなことを想起しながら、今回もわくわくして聴きました。管楽器など倍近い人数が並んでいて、しかもクライマックスを目いっぱい吹きたくなる性(さが)とあわせて、やかましく感じるところがあるにしても、意欲的で丁寧なすばらしい演奏だったと思いました。
 
 マーラーも難曲だと思うのですが、確かに細かい音型は「もにょもにょもにょ」としていたし、終楽章のソロの出だしでコントロールが利かなかったり。そうではあっても、指揮者のタクトに絶対ついていってやろう、一瞬たりとも見逃すまいという気迫が、すべての演奏者にみなぎっていました。それが音楽をアグレッシヴに表現することにつながっていて、どうして、どうして、すばらしい凄演。終楽章では、涙が溢れました。弦は待望(!)の対向配置。全曲とおして、フルートのソロが美しかった。ロビーでは実演DVDの予約販売、迷わず注文しました。

 
2007.11.19(月)
      19:00
九州交響楽団
 第281回定期演奏会
アクロス福岡シンフォニーホール(福岡県福岡市) 
                       S席 2階3列3-番
 指 揮
 ピアノ
 合 唱
秋山 和慶
渡邉 康雄
九響合唱団
ディアギレフ・バレエへのいざない U
 ・ストラヴィンスキー バレエ音楽「ぺトルーシュカ」(1911年)
 ・ラヴェル        バレエ音楽「ダフニスとクロエ」

 九州旅行を企てたとき、九響のHPを見たら、期間中に演奏会が組まれているではないか。ということで出発一月前にネットで注文、はるばる九州からチケットが届いたときは、わくわくしましたね。ちなみに「ダフニス」は、九響初演なのだそうです。

 4管編成の大掛かりな曲を、がっぷり四つに組んで、しかしなかなかスマートに演奏していたと思います。特にダフニスのフルート・パートの掛け合いは、とてもすがすがしいものでした。

 終演後、ロビーで秋山さんのサイン会が行われ、管理人も「山形から聴きに来た一見客」ということで親しくお話さしていただきました。
 遥か離れた客地で聴く演奏会、なかなかいいものです。
 
 
2007.12.14(金)
      19:00
東京都交響楽団
 第654回定期演奏会Aシリーズ
東京文化会館(東京・上野)    S席 2階4列1−番

 指 揮
 
エリアフ・インバル  ・マーラー   交響曲第7番ホ短調「夜の歌」

 マーラー交響曲第7番は、なかなか演奏会の曲目としては目にすることができなかったのですが、この年は当たり年だったようです(3月の群響、9月の新日フィル、11月の東京シティフィル、12月の都響)。ひとつ選ぶとしたら、ということで年末のこの演奏会に賭けました。

 会場は、各々の楽器の音色・強弱が実にクリアーに聴こえてきます。飄々としたテナーホルン、聴こえるかどうか気がかりだったマンドリンやギターの音色も手に取るように聴こえていましたし。演奏は、全く齟齬を感じませんでした。クライマックスの迫力、精緻なアンサンブル、とても満足しました。ただ1点、フィナーレが、第4楽章からアタッカで始まったのは、少々困惑してしまいました。夜曲の余韻をじっくり味わいたかったのです。
 終演後の「ブラボー」の嵐はさすがに凄かったです。左高右低型

 余談ながら、この演奏会に先立って、お向かいの国立西洋美術館で「ムンク」展を鑑賞しました。マーラーとほぼ同時代を生きたこの画家の作品、「生命のダンス」や「声/夏の夜」などの気分と、第7番の持つ独特な情感とに似通ったものを感じました。
 
  
2008. 1.18(金)
      19:00
東京都交響楽団 
 第656回定期演奏会Aシリーズ
東京文化会館(東京・上野)    S席 2階2列1−番
 指 揮
 ピアノ
 語り
 アコーディオン
 声楽アンサンブル 

 ソロ C.M.
沼尻 竜典
小川 典子 ※1
水谷 妃里 ※2
御喜 美江 ※2
二期会マイスタージンガー 
        ※3
矢部 達哉
 ・武満 徹   弦楽のためのレクイエム 
 ・武満 徹   アステリズム −ピアノとオーケストラのための
                                    ※1
 ・武満 徹   系図 −若い人たちのための音楽詩      ※2
 ・ベリオ     シンフォニア −8つの声とオーケストラのための
                                    ※3

 一週間前に吹雪の津軽に行ってきて、見事に風邪を引いてしまいました。病院から咳止めの薬をもらってきたものの、熱がでない分、2週間近くも尾を引くので非常に塩梅がよくない。開演前の博物館めぐりでもゴホゴホやったし・・・ 緊急避難を覚悟して静々と演奏を拝聴しました。

 武満は、全く先入観なしで聴きました。「アステリズム」はその特徴である長大なクレッシェンドの行き着いたのち、あっさりと潮が引くように終わります。「天空が吼える」というイメージでは、マーラー「夜の歌」(殊に第1楽章)と類似したものを個人的には感じました。武満と谷川俊太郎のコンビは、いくつかの小さな歌で親しんでいましたが、この曲もまたそのイメージ通り。ひょうひょうとしてすこしさびしい、すこしつめたい、といったところに・・・   3曲3様で、味わい深かったと思います。

 ベリオのシンフォニア、今回これを聴きたかったのです。白眉の第3曲目、マーラー交響曲第2番第3楽章を下敷きにして様々な作曲家の作品の断片を貼り付けていく構成。マーラーの原曲のオーケストレーションがそもそも薄いので、手の空いている奏者にいろいろ弾かせているというのがベースにあって(もちろん実際のつくりはもっと複雑かつ巧妙だけれども)、それぞれてんでの動きが観られたのは愉快でした。いつかこの曲の総譜を覘いてみたい。少しでも謎解きをしてみたいと思っているところです。

 演奏中、幸い辛い咳はでませんでした。空調が暖かく、柔らかだったので、本当に助かりました。
(山形の某テルサは、空気がきつくていつも空咳に悩まされます)
 
 上に戻る
2008. 3.15(土)
      15:00
仙台フィルハーモニー管弦楽団
 第227回定期演奏会
仙台市青年文化センター コンサートホール    A席 W列2−番
 指 揮

 バリトン
井上 道義

大久保光哉
オール・シベリウス・プログラム
 ・シベリウス  組曲「カレリア」作品11 オリジナル版
           バラード「花咲く墓地での踊り」を含む
 ・シベリウス  「5つの歌」作品38より
            第2曲「海辺のバルコニーで」、第3曲「夜に」

 ・シベリウス  付帯音楽「クレオマ」作品44より
            「鶴のいる情景」

 ・シベリウス  付帯音楽「クリスティアン2世」作品27より
            「クモの歌(果てしない森と)」

 ・シベリウス  「5つの歌」作品37より
            第5曲「逢い引きから帰った娘」

 ・シベリウス  組曲「4つの伝説」より
            「トゥオネラの白鳥」作品22−2
 ・シベリウス  交響曲第7番ハ長調作品105

 一応、シベリウス好きを自認していても、まだまだ知らないでいる作品は多いのですが、その意味で今回は好プログラム。
歌入りの曲を実際に聴くのは、初めてのことになります。


 カレリアは、第二曲バラードのイングリッシュホルンのソロの部分が歌唱になり、都合3回繰り返されます。
 劇音楽や歌曲も、シベリウスは一方ならぬ熱意を込めてたくさんの作品を残しており、その中の何点かを初めて聴きました。
 後日ディスコグラフィをみると、歌曲全集はCD4〜5枚、100曲近くもあり、交響曲と交響詩を聴いただけで「シベリウス好き」を言っている自分が
すごく恥ずかしく思えてきました。。
 交響曲第7番、以前の村川/山響のシベリウス・ティクルスは行きませんでした。その頃まだこの曲の魅力を味わうまでいかなかったからです。
今回、満を持して拝聴いたしました。北国の日暮れの薄明かりの風情。キーポイントは、トロンボーンのソロ。

 
 
2008. 4.29(火)
      18:00
東京都交響楽団  
 都響スペシャル
ミューザ川崎シンフォニーホール    S席 3階 C 3列2−番
 指 揮
 ソプラノ
 ソプラノ
 ソプラノ
 アルト
 アルト
 テノール
 バリトン
 バス
 合唱
 児童合唱
エリアフ・インバル
澤畑 恵美
大倉由紀枝
半田美和子
竹本 節子
手嶋眞佐子
福井  敬
河野 克典
成田  眞
晋友会合唱団
NHK東京児童合唱団
エリアフ・インバル プリンシパル コンダクター就任披露公演

 ・マーラー   交響曲第8番変ホ長調「千人の交響曲」

 前日に東京文化会館(第660回定期)、翌日にはサントリーホール(第661回定期)で同一プログラムが組まれていました。どれにしようか。
首都圏を歩くなら休日がいいなとか、ホリデーパスがこの日なら使えるとか。でも、それよりミューザ川崎にまだ行ったことがなかったし、このホールのこけら落しには「千人」が演奏されたことだし、定演の谷間だし、ということで・・・ 

 演奏者数はざっと500人くらい(合唱300、児童合唱100、オケ100余)でしたね。ピッコロ1人、ティンパニ1人。ホール自体がまさに「るつぼ」形をしていて、冒頭からして、一斉に音を注ぎ込んで、空間いっぱいに熱いたぎりを満たしました。そりゃ、ゾクゾクしますよ。

 終演後、ロビーに掲示されていましたこけら落としの写真をみると、合唱団の人数は今日よりずっと多かったんですね。
 で、この三連戦(?)、結果的には最終日(サントリーホール)の方が脚光を浴びていましたね。(NHKテレビで観ました)

 
2008. 5.24(土)
      15:00
仙台フィルハーモニー管弦楽団
 第228回定期演奏会
仙台市青年文化センター コンサートホール    S席 I列2−番
 指 揮

 ヴァイオリン
小泉 和裕

小森谷 巧
 ・ヴァグナー    歌劇「リエンツィ」序曲
 ・シュニトケ     ヴァイオリン・ソナタ第1番(弦楽合奏版)
 ・ブルックナー   交響曲第3番ニ短調「ワーグナー」
                            ノヴァーク版第3稿
 シュニトケで居眠りしてしまった。ブルックナーはよかった。
 
2008. 6.14(土)
      18:00
東京交響楽団 
 名曲全集 第38回
ミューザ川崎シンフォニーホール    A席 3階 C 10列2−番
 指 揮

 ピアノ
飯森 範親

コンスタンチン・リフシッツ
 ・ラヴェル   ピアノ協奏曲ト長調
 ・マーラー   交響曲第6番イ短調「悲劇的」

 マーラーの交響曲は、一個だけでも充分に演奏会が成り立つわけですが、付け合せがあるのもまた多いのです(タフだなあ)。経験的には、モーツァルトが多いようですが、で、今回なんでラヴェル? ま、個人的には好きな曲なので、堪能いたしましたが。

 マーラーの中間楽章(ScherzoとAndante)の順序についてはかねがね論争になっておりますが、この日は従前と異なる順序、即ち Allegro - Andante - Scherzo - Finale で演奏されました。以前、自宅でCDプレーヤーをいじって逆順で聴いてみたのですが、恣意の感覚が勝り、効果はよくわかりませんでした。
 で、実演に触れてみると、なるほど。第1楽章がヒロイックに終わった後、同様に刻みのリズムで始まるスケルツォより、アンダンテの静かな導入の方がメリハリが利いていると感じます。また、のどかなアンダンテ楽章と深刻なフィナーレのギャップが大きすぎることは、大植/大阪フィル(2005.3.20)で体験しておりましたが、今回スケルツォが緩衝的に機能することが実感できました。今後は、こちらが主流になっていくのでは?

 第1楽章でスタミナを温存して、フィナーレで発散。欲をいえばコンスタントに力演を味わいたいもの。
 微妙かつ些細ながら、木管の音色の質にもう一段の磨きがかかればよいのにと思った箇所いくつか・・・      次回、期待しています。

 
 
2008. 6.21(土)
      15:00
仙台フィルハーモニー管弦楽団  
 第229回定期演奏会
仙台市青年文化センター コンサートホール    S席 I列2−番
 指 揮 下野 竜也  ・ドヴォルジャーク  序曲「フス教徒」作品67
 ・ドヴォルジャーク  チェコ組曲作品39
 ・マルティヌー    交響詩「リディツェへの追悼」
 ・フサ         プラハ1968のための音楽

 民族の風土、感情を訴えた作品はあまたあれど、ここまでチェコの「歴史」に踏み込んだプログラムというのも珍しい。
 曲は、オーストリア・ハプスブルグ帝国、ナチス・ドイツ、ソ連率いるワルシャワ条約機構軍の支配に対し、民族自決の切実な感情を表現したもの。
 15世紀の聖職者ヤン・フスを英雄として崇拝する人々が歌った旋律「汝ら神の戦士たち」が一本の糸となって、この演奏会を纏めています。

 チェコ組曲は、感傷的でチャーミングな小品集。第2曲「ポルカ」はテレビドラマのワンシーンで使われていました。
 フサは、かつて吹奏楽団に属していた頃、コンクールで演奏した曲(TとWの抜粋)。懐かしいとも思いましたが、曲自体はすごく重苦しい。
 
 
2008.12.12(金)
      19:00
NHK交響楽団 
 第1635回定期公演
NHKホール(東京・渋谷)    A席 2階C12列2−番   
 指 揮

 女声合唱
シャルル・デュトワ

二期会合唱団 ※
 ・フランク     交響詩「アイオリスの人々」
 ・ドビュッシー   夜想曲 ※
 ・ホルスト     組曲「惑星」作品32 ※
 
 12月7日のNHK教育テレビ「N響アワー」の最後の公演情報を見て、即座に(あわてて)行くことを決めた公演。13日の同一公演が満席なのに、なぜかこの日はかなりの席が残っていました。当日チケット引取りで電話申し込みをしました。

 女声合唱の有効活用という意味では巧妙な組合せ。「惑星」では、アルト・フルートがある! バス・オーボエがある!(しかもソロもある。) 「火星」ではオルガンががんがん鳴っていたし。仕掛けどおりの響きで、満足しました。

 それにしても、オペラグラスを通して見た舞台は、まさしく「N響アワー」だし、そういえば、あと三週間もしないうちにここで「紅白歌合戦」をやるのだなと考えると、なんとなく「オノボリさん」の気分になってしまうのでした(国営放送の電波のチカラ?)。ちなみにこの演奏は、翌年2月9日に教育テレビで放送されました。
 
 
2009. 2.20(金)
      19:00
仙台フィルハーモニー管弦楽団
 第235回定期演奏会 
仙台市青年文化センター コンサートホール    S席 S列1−番
 指 揮

 クラリネット
デリック・イノウエ

赤坂 達三
オール・アメリカン・プログラム
 ・コープランド  バレエ音楽「アパラチアの春」
 ・コープランド  クラリネット協奏曲
 ・アイヴズ    答えのない質問
 ・ハンソン    交響曲第2番作品30「ロマンティック」

 「アパラチアの春」を聴きたくてやってきました。
 「答えのない質問」 舞台裏のトランペットの問いかけに対して、バルコニーに載った木管(Fl2・Ob1・Cl1)がとんちんかんな応答をする7分の曲
 ハンソンの交響曲 アメリカの作曲家らしく(?)管楽器・打楽器の扱いがきわめて吹奏楽的。
 事実、オリジナルの吹奏楽曲も広く知られているようです。
 
 上に戻る
2009. 2.22(日)
      14:00
東京交響楽団
 川崎定期演奏会第19回
ミューザ川崎シンフォニーホール    S席 3階 C  5列3−番
 指 揮

 ピアノ
飯森 範親

岡田 博美
 ・シューベルト イタリア風序曲第2番ハ長調D.591
 ・リスト     死の舞踏
 ・マーラー   交響曲第7番ホ短調「夜の歌」

 前半2曲は、なんとなく聴いていました。リストは、ご存知、グレゴリオ聖歌「怒りの日」の旋律の変奏。ピアノ独奏はまさに獅子奮迅の趣でした。
 
 マーラー、第一楽章は、天空の星々が一斉に吼えるような凄みが出ていました。第三楽章のヴィオラのソロの不気味さも秀逸。ギターもマンドリンもよく音色が通ってきましたし(アンプなし。後日、マエストロから直接聞きました。「楽譜は、楽器一本でもちゃんと聴こえるように書いてある」と。)。
終楽章も、ドンちゃん騒ぎが心愉しく、クライマックスは本当に背筋がゾクゾクきました。
 全体的に、マーラー独特の世紀末的香りも程よく発散されていましたし、終楽章でヘルデン・グロッケン(カウベル)がやかましかったことを除けば、楽器のバランスも違和感はほとんどありませんでした。
 「夜の歌」、怪曲などというなかれ。きわめて詩的な、均整の取れた奥深い音楽だと、個人的には思います。
 終演後のロビーでテナー・ホルンの奏者と言葉を交わしました。一見ユーフォニアムと思ったのですが、実際に使用したのは、テナー・チューバ。管の太さが違うそうです。
 いやあ、本当にいい演奏でした。頭痛なんか全然気になりません。満足して帰りました。

 
 
2009. 3. 7(土)
      15:00
新宿文化センター開館30周年記念演奏会
 フレッシュ名曲コンサート
新宿文化センター(東京・新宿)       自由席
 指 揮
 ソプラノ
 テノール
 バリトン
 合 唱
 管弦楽
飯森 範親
國光ともこ
蔵田 雅之
萩原  潤
開館記念合唱団
東京交響楽団
 ・シューベルト  交響曲第8番ロ短調「未完成」
 ・ヴォルフ     世俗の賛歌「カルミナ・ブラーナ」

 導入と結尾のティンパニどんどこは、いいねぇ。酔っ払った修道院長のうたは、演技が真に迫って面白かった。
 (後日、マエストロに対面したとき「酔っ払いの歌がよかった」と話したら、「来年2月のカルミナはもっと面白いよ」とおっしゃってました。)


 会場の新宿文化センターには、ホールの規模に比べてやけにでかいオルガンが据え付けてあります。
 今度また合唱の有志を募って、ここでマーラーの「千人」をやるのだそうな。
 
 
2009. 3.20(金)
      14:00
フレッシュ名曲コンサート
 宮本文昭with東京交響楽団「音楽のチカラ」
中野ZERO大ホール(東京・中野)
 指 揮

 オーボエ
宮本 文昭

荒 絵里子
 ・ロッシーニ      歌劇「ウィリアム・テル」序曲
 ・R.シュトラウス   オーボエ協奏曲 ニ長調
 ・チャイコフスキー  交響曲第5番ホ短調作品64
 
 宮本氏、舞うがごとく、踊るがごとく指揮をしています。
 リヒャルトの曲は、指揮者にとってソリスト時代の十八番だっただけに、手堅くまとめていたと思います。

 ロッシーニ、チャイコフスキーも仕掛けどおりの好演でした。

 管理人の音楽の師匠のご子息が管弦楽にエキストラで参加しているということで、前途にご期待いたします。
 
2009. 6.20(土)
      18:30
山形交響楽団 東京特別演奏会
 「夢づくり」さくらんぼコンサート

東京オペラシティコンサートホール(東京・初台)
                       B席 2階 P 1−番  
 指 揮

 ヴァイオリン
飯森 範親

滝  千春
 ・ラヴェル        亡き王女のためのパヴァーヌ
 ・ラロ           スペイン交響曲ニ短調作品21
 ・カリンニコフ      交響曲第2番ニ長調

 この演目・演奏者については、山形テルサ大ホールで5月16日にゲネプロを見学し、翌日に本番を拝聴いたしました(第197回A定期)。
千春ちゃん、とってもぱわふる。17日の演奏会の模様は、5月31日にNHK教育テレビ「オーケストラの森」で放送されました。
この17日はまた、飯森氏の誕生日。アンコールで「ハッピー・バースデイ」が演奏されただけでなく、終演後の交流会では、飯森氏の面前で
滝さんとC.M.の高木さんのヴァイオリンによるバースデイ・ソングの演奏。ロビー内はもう大歓声。

 さて、この演目は既に存分に味わいましたので、通称「マニア席」と呼ばれる舞台背面の席で、山響の同好の方々とともに拝聴いたしました。
 ラロ。指揮者と独奏者がお互いに、身振り手振り、ゼスチャー、アイコンタクトでコミュニケーションをとりながら、緩急をそろえ細かな表情を
作り出していく様子が実に面白いのです(特に第二楽章)。客席で指揮者の背中を見ていたのでは、まずわからない。
 カリンニコフ。真下に見える管楽器セクションのパート譜をオペラグラスを覗きながら、聴いていました。これもなかなか面白いですね。
 以前この席で聴いた人の話では、音響はイマイチだそうでしたが、今回はそれほど悪くなかったです。隠れて見えない金管の音も聴こえましたし。
木管が強く迫るのは仕方ないにしても、これも許容範囲。
 P席。開演前、汗が引いてから着席しようと後ろのオルガンの席に座っていたら係の人に注意されました。あとで休憩時間に客席に回って
舞台を見たら、ずいぶん目立つかも・・・ 赤面。でも、客席の視線をもろに浴びることを我慢すれば、非常に興味深い場所でした。
これはハマリます。
 
 
2009. 7. 1(水)
      19:00
MUZAバースデイ・コンサート
 ミューザ川崎シンフォニーホール5周年記念公演
ミューザ川崎シンフォニーホール    S席 2階 C  3列2−番
 指 揮
 ソプラノ
 ソプラノ
 ソプラノ
 メゾ・ソプラノ
 メゾ・ソプラノ
 テノール
 バス・バリトン
 バス
 パイプオルガン
 合唱
 児童合唱
 

 C.M.
 管弦楽
飯森 範親
澤畑 恵美
腰越 満美
中村 恵理
小山 由美
谷口 睦美
福井  敬
久保 和範
久保田真澄
近藤  岳
東響コーラス
東京少年少女合唱隊
ゆりがおか児童合唱団
横須賀芸術劇場少年少女合唱団
高木 和弘
東京交響楽団
 ・マーラー   交響曲第8番変ホ長調「千人の交響曲」

 「千人」を聴くのは3回目。最近はなんかの記念行事で取り上げられることが多く、既に「大規模ゆえの珍曲」とはいえなくなった感があります。

 ピッコロ2人、ティンパニ1人、ハープ4台、マンドリン1人、全体ではやはり500人くらい。
 舞台を囲むように下手に第1合唱、上手に第二合唱、女声-男声-女声-男声という位置。
 第一部、展開部の2つの合唱が絡み合う箇所では、テンポを落としたうえで、合唱の位置関係を生かして、曲の構造をじっくり聴かせていました。
コーダは一転して、アクセルを入れて、あっさりと駆け抜けるような終わり方でした。
 第2部、法悦の教父(バリトン)と瞑想する教父(バス)の声量が決定的に足りな
い。聴き方が草葉に隠れた道をたどるような感じになって、どちらも長丁場なのでだんだんイライラしてきた。一方、テノールの福井氏は、ベテランですね。安心して聴くことができました。
 全体的に、合唱はうまかった。オケも。いくつかのソロに危なっかしさがあったものの、木管のアンサンブルの響きの伸びもすこぶるよかったし。
 
 8人目のソプラノについて
 独唱者は全部で8人必要ですが、舞台にはいつも7脚しか椅子がありません。はじめ「おやっ」と思っていたのですが、8人目のソプラノの出番は、第2部の大詰めにあります(練習番号172〜176 1,249〜1,273小節)。出番が近づくとバルコニー席の高いところに姿を現します。栄光の聖母として、ひとフレーズを気高く歌うとすぐに下がります。まるで仕掛け時計のお人形さんみたいなので、注意してみてください。

 
2009.10. 17(土)
      18:45
群馬交響楽団
 第458回定期演奏会

群馬音楽センター(群馬県高崎市)   A席  18列6−番
 指 揮

 ピアノ
沼尻 竜典

小川 典子
 ・R.シュトラウス   交響詩「マクベス」作品23
 ・三好 晃       ピアノ協奏曲
 ・ベートーヴェン    交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」
 JOFC(日本プロオーケストラファンクラブ協議会)の総会に参加するのと抱き合わせて聴いた演奏会。

 曲が進むに従って、オーケストレーションは薄くなり、しかもよく知られたものとなる構成。
 演奏が本当に難しいのは「英雄」の方だったと、聴いていて実感しました。
 前2曲で集中力を使い切って、しかもあとに慣れた曲がくれば、やはりテンションは上がらないものなんですね。

 群馬音楽センターは、見える音しか聴こえてこないホール。
 新築によりもっとふくよかな響きを求める向きがある一方で、建物自体が建築上貴重な設計であることと
 住民の熱意により建てられたことによる保存活用の意見もまた広く存在します。
 
 
2010. 2. 6(土)
      14:00
読売日本交響楽団
 第119回東京芸術劇場マチネーシリーズ

東京芸術劇場(東京・池袋)      B席 3階 C列3−番
 指 揮

 ヴァイオリン
レイフ・セゲルスタム

松山 冴花
オール・シベリウス・プログラム
 ・シベリウス  交響詩「フィンランディア」作品26
 ・シベリウス  ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47
 ・シベリウス  交響曲第1番ホ短調作品39
 この演奏会に行くことを決めたのは、実は3日前でした。
 前の週の金・土曜日(1月29日村山市、30日山形市)、山形交響楽団の創立名誉指揮者の村川千秋氏の記念演奏会があり、演目がシベリウスの交響詩と協奏曲で共通していたことから、追体験を目論んだものです。
 駆け込み的に電話でチケットを申し込んだので、既に良席はふさがっており、3階の高いところで。音響はしっかり届きましたが、ソロの響きはちょっと遠い感じがしましたね。それでもソロはどこまでも美しく、情熱的でした。交響曲もよかった。
 
 ところで終演後の雰囲気ですが、一方の山形では指揮者と独奏者(父と娘)ともどもロビーに現れ、親しく聴衆と会話を交わしていつまでも和やかで華やかかな雰囲気に包まれていました。(その会に限らず、山形交響楽団の場合、定期演奏会でも何でも終演後は、指揮者、独奏者と聴衆との交流会が催される)。
 東京の場合どの演奏会でも、たくさんの聴衆を一度に集め、たくさんの聴衆に音楽を聴いてもらい、たくさんの聴衆を一気に帰すというシステムが徹底しています。いつもどこかよそよそしさを感じながら会場を後にするのですが、だからこそ今回は、それが特に際立って感じられましたね。
 東京の皆さん、一度でも山形においで下さって、山形交響楽団を最後まで聴いてみてくださいな。

 余談ながら、開演40分前にチケットの引き取りに会場に入ったら、おとなりの仙台フィル愛好者で管理人とは知り合いのKさんとばったり対面。「なんでここにあなたがいるの?」とお互いに。ちなみに松山冴花さんは、仙台フィルとの共演で以前からの所縁がある方。
 
 上に戻る
2010. 2. 7(日)
      17:00
東京交響楽団
 東京オペラシティシリーズ第53回

東京オペラシティコンサートホール(東京・初台)
                       S席 2階 C3列1−番  
 指 揮
 ピアノ
 ソプラノ
 テノール
 バリトン
 合唱
 児童合唱
飯森 範親
河村 尚子
吉原 圭子
高橋  淳
田 智宏
東響コーラス
横須賀芸術劇場少年少女合唱団
 ・モーツァルト  ピアノ協奏曲第9番変ホ長調K.271「ジュノム」
 ・オルフ     世俗的カンタータ「カルミナ・ブラーナ」

 昨年3月、新宿でのカルミナ・ブラーナの感想を飯森さんに話したら、「来年2月(つまりこの演奏会)はもっと面白いよ」とおっしゃってました。
 実際にみてみると、「酒場にて」で、独唱者が指揮者を巻き込んで寸劇を張ったのが、斬新。やはり面白かったですよ。
 管理人はじめ、客席からちらほら笑いがこぼれましたが、でも、なんでほかの皆さん笑わないんだろう・・・

 前座のモーツァルトは、オケが山響に見えてしまう・・・

 
 
2010. 4. 3(土)
      14:00
大いなる喜びへの賛歌 
Kioi Hall 15th Anniversary Celebration Concert   
紀尾井ホール (東京)            A席 1階 21列1−番
 指 揮

 ピアノ

 ソプラノ

 管弦楽
高関  健

田部 京子

天羽 明恵

紀尾井シンフォニエッタ東京
 ・J.シュトラウス  ワルツ「春の声」作品410
 ・モーツァルト   ピアノ協奏曲第26番ニ長調K.537「戴冠式」
 ・マーラー     交響曲第4番ト長調
 
 「戴冠式」を聴いていつも思うのですが、ピアノ・ソロに与えられている音符はこの曲に限って異様に少なくて、それだけでモーツァルトの世界を表現するのは、逆の意味で難しいそうです。一説では、これは下書きで、モーツァルト自身は自在に装飾して弾いていたらしい。その記録がない中で、ソリストが飾り付けをすれば「改ざんだ」なんだと、面倒くさいのかもしれません。でも、ちょっと独自に解釈したソロを試しに披露するのも、それはそれで面白そうなんですけど・・・

 マーラー よかったです。第3楽章の315小節目以降の弦のアルペジオ。弓の動きが一斉に飛び立つ白鳥のようで、背中がゾクゾクしました。

 アンコールは同じくマーラーの歌曲集「子供の不思議な角笛」から「ラインの伝説」でした。この曲、私のお気に入りのひとつだったので心愉しく拝聴いたしました。どこか、この歌曲集の全曲やってくれませんでしょうか。も、いつでもどこでも聴きに行きます!

 
 
2010. 6. 6(日)
      16:00
神奈川県民ホール開館35周年記念
 カール・オルフ「カルミナ・ブラーナ」
神奈川県民ホール(横浜)         S席  1階23列3−番
 指 揮
 ソプラノ
 テノール
 バリトン
 合唱
 児童合唱
 管弦楽
 
現田 茂夫
幸田 浩子☆
高橋  淳☆
堀内 康雄☆
特別合唱団☆
小田原少年少女合唱団☆
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
フェスティバル・ファンファーレ隊 ※ 
 ・團伊玖磨      素戔嗚ファンファーレ※
 ・ショスタコーヴィチ 祝典序曲 作品96※
 ・ストラヴィンスキー 組曲「プルチネルラ」(1949年改訂版)
 ・オルフ        世俗的カンタータ「カルミナ・ブラーナ」 ☆
 ふぁんふぁーれ  らっぱがぱっぱらぱっぱら
 祝典序曲も    らっぱがぱっぱらぱっぱら
 30人弱もの金管隊、思いっきりffで吹いたら、なんぼおっきい会場でも耳があっぷあっぷするわ〜〜〜。

 「プルチネルラ」 和やかで祝祭的な雰囲気がいいですね。弦楽の首席奏者が指揮台の前に出て、弦楽重奏のスタイルをとったのは斬新。

 「カルミナ・ブラーナ」の「居酒屋にて」のバリトン、もっと遊ばないと・・ 大僧生様、まじめにお経を読むような歌い方では、がっかりしてしまいます。
 で今回の目当ては、こうださま。毎週月曜日、朝の通勤時に、彼女がパーソナリティを務めるNHK-FMの番組をいつも拝聴しておりましたが、今年2月の山形での公開収録を聞きそびれて「くやしい!」。ということでオッカケに走ったものでございます。
 こんな話をお隣の席の老婦人と交わしながらも、合唱・管弦楽ともどもしっかりと骨のある演奏を味わっておりました。
 
 
2010. 6.26(土)
      18:30
山形交響楽団 東京特別演奏会
 さくらんぼコンサート2010
東京オペラシティコンサートホール(東京・初台)
                       B席 2階 P 1−番  
 指 揮

 ピアノ
飯森 範親

河村 尚子
 ・ベートーヴェン     「レオノーレ」序曲第3番作品72b
 ・ショスタコーヴィチ   ピアノ協奏曲第1番ハ短調作品35
 ・チャイコフスキー    交響曲第4番ヘ短調作品36

 この演目・演奏者については、第205回定期演奏会として、山形テルサ大ホールで5月11日と12日に行われました。全プログラムを通して、隠れた主役としてトランペットが活躍します。私は、仕事の都合で2日目のチャイコフスキーだけを拝聴いたしました。
 
 今回も通称「マニア席」と呼ばれる舞台背面の席で、山響の同好の方々とともに拝聴いたしました。
 ショスタコーヴィチの曲は、「ピアノ(とトランペットの為の)協奏曲」といっていいくらいトランペットの独奏が重要な位置を占めています。
 2つの独奏楽器のガチンコ勝負が見どころなわけですが、今回の「マニア席」、ちょっと裏目。仁王立ちで吹いているはずのトランペットが、真下に隠れて見えない
 ・・・・ うんnnnn

 チャイコフスキー 個人的には、寒い冬にひどい風邪を引いて寝込んだときに聴いていた曲。実はこの日、咳だけの風邪を引いてて少々やばかった。
 さて、4度目の本番(山形2回、庄内1回の次)ともなると、指揮にも余裕があります。第3楽章、飯森さん、前に手を重ねて、振るのをやめてしまいました。それでも音楽はピツィカートに乗って滑らかに走っていきます。再現部でも手を組んだ右手の人差し指だけで拍子を取っていました。
 以前、全く別の楽団の演奏会で、チャイコフスキー「悲愴」の第3楽章行進曲の途中で指揮をやめて、最後まで楽団に演奏をお任せした人がいましたが、結構これはこれで観ていて痛快。もしかしてP席へのサービス?

 
2010. 7.24(土)
      15:00
仙台フィルハーモニー管弦楽団
 第248回定期演奏会 
仙台市青年文化センター コンサートホール    S席 T列1−番
 指 揮

 ピアノ
パスカル・ヴェロ

倉戸 テル
 ・ストラヴィンスキー 組曲「プルチネルラ」(1949年改訂版)
 ・マルティヌー     トッカータと2つのカンツォーナH311
 ・オネゲル       交響曲第4番「バーゼルの喜び」
 マルティヌーとオネゲルは初めて聴く曲。先入観なしで臨みました。
 ゲンダイ音楽ながら、意外にも(!)耳に心地のよい響きでした。程よく残響が利いていて、ぬるま湯のお風呂にゆったりと浸かったような気分。
 そのことを会場出口で知り合いに話したら、ニヤニヤ苦笑い。そうか、他のみんなは居眠りしてたんだね。
 
2010. 7.25(日)
      15:00
東京フィルハーモニー交響楽団
 第790回定期演奏会
Bunkamuraオーチャードホール(東京・渋谷)
                        S席 2階3列1−番
 指 揮 ミシェル・プラッソン  ・ビゼー      組曲「アルルの女」より
             第1組曲「前奏曲」・「アダージェット」
             第2組曲「ファランドール」
 ・ラヴェル     マ・メール・ロア
 ・ベルリオーズ  幻想交響曲
 ・ビゼー      歌劇「カルメン」前奏曲(アンコール)
 ここで、東フィルを聴くのは5年ぶり。
 ラヴェルは、第3曲がきらきらしているし、第4曲のコントラ・ファゴットにぐっときましたし。よかったよかった。
 ベルリオーズの幻想交響曲。舞台女優に一目ぼれして書いた音楽。ストーカーになりかかったそんな暗い情熱も、気持ちの振り向け方によっては、こんな歴史に残る画期的なものが出来上がる。おしとやかに始まった音楽が、進むにつれて羽目を外してすっちゃかめっちゃかになるのが、手に取るように判りました。終曲などは、ほとんど鬱憤晴らしなんだろうね。
 かねてから楽器の用法の斬新さが言われてきましたが、確かにこれは、そんな仕掛けを観て面白がる音楽だと認識いたしました。
 欲を言えば、弦楽器は対向配置にして欲しかった。
 
2010. 9. 4(土)
      16:00
名古屋フィルハーモニー交響楽団
 第372回定期演奏会
愛知県芸術劇場 コンサートホール   A席  3階1列5−番
 指 揮

 ヴァイオリン
ティエリー・フィッシャー

植村 太郎
 ・斉木由美 二つの素描 独奏ヴァイオリンとオーケストラのために
 ・マーラー  交響曲第5番嬰ハ短調
 今日のゲンダイ音楽、う〜ん。作曲者ご本人のプレトークなども拝聴しましたが、理屈だけが先に立つようだと、やはり音楽としては印象薄いです。
 で、次のマーラー。冒頭の1本のトランペット。朗々と吹いた音が、ホールの中で絶妙にワックスがかかったように耳に届いてきたのに感嘆!
 (結構、まろやかでつややかな響きのするホール。天井のカーテンが本物でなく彫刻だったので、はじめちょっと見くびっていた。)
 フィッシャー氏の指揮、ともかくダイナミック。腕を客席まで振りまわしたり、足元近くまで深く掘り込んですくい上げたり、弱音では、譜面台の影に隠れそうになったり。もしかしたら指揮者マーラーってこんなだったのかも知れないと、往時を彷彿いたしました。
 独奏トランペットも独奏ホルンも完璧だったし。アンサンブルも乱れを感じません。アダージェットでは涙を流しそうになり、スケルツォとロンド・フィナーレでは踊りそうになりました。
 マーラーの交響曲の中で第5番は、実はわたしにとって馴染みの薄い曲のひとつだったのでしたが、この日の演奏で心を入れ替えました。
 
2010. 9.18(土)
      15:00
札幌交響楽団
 第531回定期演奏会
札幌コンサートホールKitara   A席  2階RBブロック7列1−番
 指 揮
 メゾ・ソプラノ
 女声合唱
 児童合唱
尾高 忠明
手嶋 眞佐子
札幌合唱団
HBC少年少女合唱団
 ・マーラー   交響曲第3番ニ短調
 山形でのクラシック愛好者の集まりの中に、北海道出身の方が何名かおられて、口々に「Kitara(キターラ)は、音がいいよ」とおっしゃってました。関心を持って札響のスケジュールを見てみると、シルバーウィークにマーラーを演奏するではないか。しかも演目は、演奏機会がまこと稀なる第3番。これは聴きに行かなければならない。チケットは現金書留で購入。それにしても、マーラーを聴く値段として、A席4,500円は破格の安さだと思うがいかが。
 ということで、快晴の爽やかな天候の下、いそいそとKitaraに向かいました。エントランスでは、札響くらぶの顔なじみの方々と二週間前の名古屋以来の対面を喜び合いました。
 尾高さんのマーラーは、以前仙台フィルで第9番を聴いて以来になりますが、しっかりした音作りで安心して聴くことができます。アシスタント含みの9人のホルン奏者のユニゾンはのっけから圧巻。トロンボーンもしっかり吼えていましたし。第一楽章展開部の行進曲風の楽想のあたりで、そのあまりの華やかさと迫力で、じ〜〜んときてしまいました。百人余の演奏者が織り成す千変万化の音の彩り、力感。演奏時間は世界記録とされるくらい長いのです(約百分)が、しかし6つの楽章それぞれに風景が見える音楽でもあります。夢中になって味わって、終楽章の幕切れに到るあたりでは「まだ終わらないでくれ」と本気で思っていました。
 なお、ただ1点ですが、第4楽章の低弦は、楽譜どおりまともにpppで弾いたら客席まで音が届かないようです。嫋々たる音色を保持しながらも、必要な音量を確保していただければと思っております。

 いやあ、津軽海峡を潜って、Kitaraに来たかいがあったというものです。
で、来年3月には、マーラーの第7番「夜の歌」をやるのだそうな(指揮 高関 健)。また聴きにおいでと誘われていますが、さて・・・
 
2010.10.31(日)
      17:30
第2回とちぎ音楽祭
 「のだめベト7の夕べ」
栃木県総合文化センター メインホール S席 2階 2N列2−番 
 指 揮
 ヴァイオリン
 管弦楽
飯森 範親
鈴木 舞
山形交響楽団
 ・モーツァルト    交響曲第31番ニ長調K.297(300a)
 ・モーツァルト    ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調K.219
 ・ベートーヴェン   交響曲第7番イ長調作品92
 モーツァルト2曲は、山形交響楽団が8年がかりで行っているモーツァルトの交響曲の全曲演奏「アマデウスの旅」シリーズのスタイルで演奏しました。
コントラバスは、舞台最後列に一列に。ホルン、トランペットは無弁の楽器、ティンパニもそれ用のを使っていました。(さすがにベートーヴェンは、バルブ・ピストン付きに持ち替えましたが・・)。ピリオド奏法を応用。女性の団員さんは、もちろん華やかなカクテルドレスをまとっていました。
 協奏曲も、ヴァイオリンのソロが、若々しくて実に端正。
 ホールの響き自体は、山形テルサに比べると、少々水っぽい感じがしました。それでも第7番が終曲はかなり熱く、ブラボーもあちこちから聞かれました。
 アンコールは、「フィガロの結婚」序曲。
 栃木のみなさん、モーツァルトの奏法のユニークな味わい、愉しんでいただけたかな・・と思いながら帰途に着きました。
上に戻る 
2011. 3.20(日)
       14:00
読売日本交響楽団
 みなとみらいホリデー名曲コンサートシリーズ
横浜みなとみらいホール 大ホール    S席 1階C24列1−番
 指 揮

 クラリネット
下野 竜也

四戸 世紀
トランスクリプション名曲集
 ・バッハ(エルガー編曲)  幻想曲とフーガ ハ短調BWV.562
 ・ブラームス(ベリオ編曲) クラリネット・ソナタ第1番ヘ短調作品120‐1
 ・グルック(ワーグナー編曲) 歌劇「アウリスのイフィゲリア」序曲
 ・ウェーバー(ベルリオーズ編曲) 舞踏への勧誘
 ・ドビュッシー(ビュッセル編曲)  小組曲
 ・バッハ(シェーンベルク編曲)  前奏曲とフーガ変ホ長調BWV.552
 東日本大震災による山形新幹線の運転見合わせ、その他交通途絶のため、上京を断念。
結構、良席だったので、当日券に回してもらおうと主催者に電話したら、特例で払い戻してくださるとのこと。
ありがたいと思いましたが、ただ、う〜〜ん、やはりこのプログラムだったら聴いてみたかった。
 
2011. 5.21(土)
      18:00
東京交響楽団 名曲全集 第67回
 (代替公演)
昭和音楽大学 テアトロ・ジーリオ。ショウワ
   1階 18列3ー番
 指 揮

 ヴァイオリン
シュテファン・アントン・レック

シュロモ・ミンツ
 ・モーツァルト   ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調K.216
 ・マーラー     交響曲第5番嬰ハ短調
 小田急線新百合丘駅前の昭和音大のホールで、東京交響楽団の演奏会を聴いてきました。普段はJR川崎駅前の「ミューザ川崎」で演奏会をやるのですが、3月11日の地震で大破して当分使えないということで、代わりの会場になりました。

 先週の山形交響楽団の演奏会に引き続き、ミンツさんおっかけ。今日はモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番でしたが、よかったっすよ。軽妙でしゃれた演奏でした。アンコールは山響酒田公演と同じくバッハでした。
 マーラーはこないだ(5月18日)で没後100年の節目を迎えたので、期待感があったのですが、やっぱり昭和音大は代わりの会場なので、オーケストラ自体はなじんでませんでしたね。特に弦楽が、大人数なのに響きが生きていないというか。
どちらかといえば、昭和音大ホールは小編成向きなのかもしれない。 「ミューザ川崎」のより早い復旧をお祈りいたします。
 
2011. 7.23(土)
       15:00
仙台フィルハーモニー管弦楽団
 第257回定期演奏会 
仙台市青年文化センター コンサートホール   S席 T列1−番
 指 揮

 メゾ・ソプラノ
山下 和史

福原 寿美枝
 ・マーラー     リュッケルトの詩による5つの歌曲
 ・マーラー     交響曲第5番嬰ハ短調
 3月11日の東日本大震災において、会場の仙台市青少年文化センターでは大きな損傷に見舞われ、6月いっぱいまで使用できない状況が続きました。
実に4ヶ月ぶりの定期演奏会。マーラーの構成的にも感情的にも複雑な音楽を、楽団員さんは丁寧に演奏することに悦びをみなぎらせていましたし、聴衆も久しぶりの本格的な演奏を聴くことに嬉しさがあふれていました。万雷の拍手。
 とりあえずここの大ホールを復旧させたものの、宮城県内のコンサート会場は軒並み地震の被害を受けて再開できる見通しは未だ立っていません。音楽マネジメントも、震災により経営が困難になったところが多いと聞きます。今後も厳しい状況が続きます。

 できうることであれば、合唱は有志を募り屋外を会場にして、マーラーの交響曲第2番「復活」をやってほしい。また、
 別の機会には「亡き子をしのぶ歌」を。演奏する方も、聴く方もつらいかもしれないが、仙フィルだからこそ表現できる地平があるとも思います。

 
2011. 9.11(日)
      14:30
鈴木秀美のガット・サロン VOL.4
 
Hakuju Hall(東京・代々木)    D列1−番
 フルート

 ヴァイオリン

 ヴィオラ

 チェロ
菅きよみ

若松夏美

成田寛

鈴木秀美
 ・モーツァルト  フルート四重奏曲第3番ハ長調K.Anh.171(285b)
 ・モーツァルト  フルート四重奏曲第2番ト長調K.285a
 ・ハイドン    フルート四重奏曲ニ長調Op.1,No.5(H.II:D9)
 ・ハイドン    フルート四重奏曲ニ長調Op.5,No.2(H.II:G4)
 ・モーツァルト  フルート四重奏曲第4番イ長調K.298
 ・モーツァルト  フルート四重奏曲第1番ニ長調K.285
 1キーだけのフルートと本物のガットを使った弦楽器で演奏。現代楽器のシャープさ、大音量とは対極の音楽。
キーシステムの付いていないフルートは、一目見て運指が複雑だと分かります。各音の音程や音色、音量がそろわず
(逆にそれが、表情に陰影を与えると解釈されていますが)、穏やかでなめらかなメロディーを演奏するために、まさに
楽器と格闘して吹いているように見えました。でもさすが、素晴らしい心地のいい時間をすごすことができました。
   
2011.9.17(土)
       15:00
オーケストラ・アンサンブル金沢
 第309回定期公演マイスターシリーズ
 
石川県立音楽堂コンサートホール  2階席6列3−番
 指 揮

 出 演



 合 唱
 
ロルフ・ペック

ヘンデル/井上道義

ロマン・ローラン/西村雅彦

シュレッヴィヒ=ホリュシュタイン
音楽祭合唱団
ヘンデル・ガラコンサート「神々しき調べ」
 ・ヘンデル/オラトリオ「エジプトのイスラエル人」より
 ・ヘンデル/オラトリオ「メサイア」より
     "ハレルヤ""御子が我らに生まれたもうた"
     "田園交響曲""羊飼いが夜野宿しながら"
     "いと高きところに、栄光が神にあるように"
 ・ヘンデル/オラトリオ「ユダス・マカベウス」より
      序曲"御身の敵はかく倒れる"
     "見よ、勇者は帰る" 他
 ・ヘンデル/オラトリオ「ソロモン」より
     "シバの女王の入城" 他
 ・ヘンデル/組曲「王宮の花火の音楽」より 序曲
 ・ヘンデル/組曲「水上の音楽」より
 ・ヘンデル/オラトリオ「イェフタ」より
 ・ヘンデル/オラトリオ「メサイア」より"アーメン"
  石川県立音楽堂なかなか立派な施設。コンサートホールの観客収容人数が1,560席。
井上さんのアドリブ演奏でオルガンの音色にも接したが、かなりの迫力。ここでマーラーを演奏したこともあるのだという。
邦楽ホールも背中合わせに設置されており、金沢の文化水準の深さをうかがわせる。

 ヘンデルの曲、表彰式の音楽、ハレルヤコーラスなど有名どころをそつなく取り込んだもの。合唱もオーケストラも秀逸。
ヘンデルとロマン・ロランのやり取りは、かなり堅調。 
  
2011.11.5(土)
       19:00
・アルマヴィーヴァ×歌Vol.23
 「山形の光と風に歌声をのせて」
イタリア料理店Almaviva(東京・四ツ谷)   
 ソプラノ

 メゾソプラノ

 バリトン

 ピアノ
枝松 瞳

堀万里絵

井上雅人

小瀧俊治
 ・第一部 ロッシーニ 歌劇「セビリャの理髪師」から
  「俺は街の何でも屋」
  「それじゃ、私なの?」
  「あの歌声は」(二重唱ヴァージョン)
 ・第二部 日本歌曲
  「鴉」 清水重道 作詞/信時清 作曲
  「木兎」 三好達治 作詞/中田喜直 作曲
  「悲しくなったときは」 寺山修司 作詞/中田喜直 作曲
  「落葉松」 野上彰 作詞/小林秀雄 作曲
  「小さな空」 武満徹 作詞・作曲
 ・第三部 伊・仏・独のオペラより
  モーツァルト「魔笛」より「パパパ」
  マスネ「シンデレラ」より「やっと家に着いたわ」
  ベッリーニ「カプレーティとモンテッキ」より
    「ああ、幾たびか」
  ベートーヴェン「フィデリオ」より
    「ハ、ちょうど良い機会だ!」
 客席数 10数席の小さなしゃれた感じのお店の、ささやかながらもぜいたくなディナーショー。
「セビリアの理髪師」は、劇中の特に滑稽なシーンを選んで、客席近くまで周ってきて軽妙なやり取りを交わしました。
第二部の日本歌曲はしみじみと。武満徹の歌が心に染み入りました。
「セビリアの理髪師など」は、本物の舞台を見てみたいと思わせるくらいにわくわくしましたし、
本格的なオペラのアリアを、間近で堪能できたうえに、上等のワインとおいしい料理をいただいて、うっとりするほどの時間でありました。
   
2011.11.6(日)
       14:00
品川区民芸術祭2011
 
「ラ・フランス コンサート」
きゅりあん(東京・大井町) 8F大ホール  H列3ー番
 指 揮
 ヴァイオリン
 チェロ
 管弦楽
飯森 親範
川久保賜紀
遠藤真理
山形交響楽団
 ・モーツァルト  歌劇「フィガロの結婚」序曲K.492
 ・ブラームス   ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲
            イ短調作品102
 ・シューマン   交響曲第1番変ロ長調作品38「春」

 東京公演としては、毎年6月に東京オペラシティで行われる「さくらんぼコンサート」と対になる演奏会。今回が初めての企画。
山形交響楽団の県外公演の傾向として、「さくらんぼコンサート」が総力戦の趣があるのを別として、
ピリオド楽器の紹介と披露を目玉としていることが多いように思います。
 今回の作品、金管群は3曲すべてをピリオド楽器を使用していました。その場合、口だけで音階と音程を確保しなければならないので、
なかなかコントロールが難しいと聞きます。シューマンの冒頭、肝となるファンファーレで、しかし事故ってしまいましたね。
あとがよかっただけに残念だったのですが、終演後、「復興に向けてのファンファーレを」という機転で、再度冒頭部分を演奏。
今度は完璧な吹奏を聴かせてくれました。

ブラームスの協奏曲は、ところどころヴァイオリンとチェロがキャッチボールするような書き方をしていますが、
ぴったりと呼吸のあった演奏だったと思います。
ソリストに話を聞いてみると、異口同音に「難しい」と言っておられます。この曲を味わうためだけに、
この演奏会に行っても十分な価値があるとも思いました。

ピリオド楽器 作曲家が活躍していた当時の構造の楽器
 この日紹介されていたの楽器   無弁ホルン、無弁トランペット、ロータリーなしのトロンボーン(バス・トロンポーンともなると、とてつもない長さ)
   
2011.12. 3(土)
       18:00
東京交響楽団 第595回定期演奏会 サントリーホール(東京・赤坂)  A席 2階C 10列2−番
 指 揮

 ピアノ
 
ギュンター・ノイホルト

舘野 泉  ※
尾崎 有飛 *
 ・J.S.バッハ/シェーンベルク
              プレリュードとフーガ変ホ長調BWV552
 ・ラヴェル        左手のためのピアノ協奏曲ニ長調※
 ・ストラヴィンスキー  バレエ音楽「ペトルーシュカ」(1947年版)*

ラヴェル「左手」は、もうひとつのト長調の協奏曲と比べて地味な印象の音楽ですが、しかし、やっていることは、やはりすごいものです。
片手で
よくこれだけの厚い響きが作れるもんだ、と感嘆ひとしきり。集中して聴いたのであっという間でした。

アンコールは、カッチーニのアヴェ・マリア。深い祈りの世界。
これって今年1月の
山形テルサでのリサイタルでも、舘野さん演奏されていたのではなかったっけ?

バッハ・シェーンベルクのプレリュードとフーガ、キラキラしてて素敵!!

ペトルーシュカ、うきうきわくわく、思わず踊っちまいそうだったぜ。
しかしながら、この曲を演奏する人で最も過酷なのは、トランペットの首席ではないだろうか。
大変さを感じさせないで聴かせられたら、プレーヤー冥利に尽きるような気がする。
 
上に戻る 
2012. 1.21(土)
     14:00
新日本フィルハーモニー交響楽団
 第487回定期演奏会
すみだトリフォニーホール  A席 3階 2列1−番

 指 揮
 
ダニエル ハーディング  ・マーラー       交響曲第9番ニ長調
会場もオケも指揮者も今回初めて。3階席でも響きはクリア。

第2
ヴァイオリンが主役のこの曲では、弦が対向配置であることでその効果が際立ちます。
演奏自体は小さな傷は多少はあったのかも知れ
ないが、まずまず整った演奏でした。

1週間前から喉が荒れていて
、咳止めを飲んで臨みましたが、そのせいで演奏に没入しきれなかった嫌いあり。ちょっと無念。
この曲だからかもしれませんが、周りの聴衆みんなが哲学者になっていますね。鬼気迫る感じがして、ちょっとたじろいでしまった。

あとで聞いた話。
前日にも同演目の演奏会があって、こちらは、かなりひどかったんだそ
うだ(特にホルンは散々叩かれたらしい)。
でも、前と後でこんなにも印象が違うもの?
また、ここで弦楽器を演奏した人の話では、「空調が乾燥して楽器が弾きにくかった。おそらく湿度を打楽器にあわせているのだろう」とのこと。
ああ、そういえばマーラーのこの曲、ウェットにねちっこく響かせ表現することが多いのに、なんとなく軽いカラカラした感じがしたのはこういうことか、
と得心した次第。(それに、前の日は、都心でも積雪があったくらいに大荒れの天気だったが、もしかしてそのことが不調に影響しているのかも)


   
2012. 7.19(木)
     19:00
山形交響楽団第222回定期演奏会
山響創立40周年記念/東日本大震災復興祈念

仙フィル・山響合同演奏会「復活」 
山形市民会館           S席 19列 3−番
2012. 7.20(金)
     19:00
仙台フィルハーモニー管弦楽団特別演奏会
東日本大震災復興祈念

仙フィル・山響合同演奏会「復活」 
東京エレクトーンホール宮城   S席 不詳
 指 揮
 ソプラノ
 メゾ・ソプラノ
 混声合唱

 C.M. 
 
飯森 範親
平井 香織
加納 悦子
山響アマデウスコア
仙台宗教音楽合唱団
高木 和弘(19日)
神谷 未穂(20日) 
 ・マーラー       交響曲第2番ハ短調「復活」 
 「復活」の生演奏が、合同演奏という形で身近に触れられるということを初めて聞いたとき、本当に思いもかけないことで、まさに驚喜しましたね。
山形と仙台、マーラーの同一演目を2日続けて聴くのは、今回が初めての経験になりました。

 さて、 双方を聴きに行った人も、私を含め多数おりましたが、異口同音に「仙台が素晴らしかった」と述べておられました。
 どうしてだろうと、つらつら考えてみるに、やはり平成23年3月以降の仙台という場所で、宮城県の聴衆、演奏者、合唱団が集ったことの意味が
大きいと思うようになりました。それは、東日本大震災後、隣人を失い故郷を流された境遇の方々が、壇上でマーラーを歌い、私の隣の席でマーラ
ーを聴いているということ。自らの無事をつつましく感謝しながら、その複雑な思いを、直截に叫ぶのでなく、まくまでもマーラーの音楽そのものを一
途に表現することに徹しておりました。だからこそ、最後のクライマックスでは、指揮者も合唱団も万感に涙し、私たち聴衆ももらい泣きできたのだと
思います。

 「復活」への祈りのスパーク。ここでは、演奏会場の不満、作曲上の問題、演奏上の小さな傷など、そんな細かいことは全く取るに足らないくらい
の、力を持った響きになっていました。
過去に聴いた「復活」では、いずれも駄演を食んでいただけに、やっと本物の演奏に触れられた充足感を持って帰ったのでした。 

 
   
 2012. 9.30(日)
     15:00
インバル=都響
新マーラー・ツィクルス 第T期  ツィクルスU
横浜みなとみらいホール 大ホール   A席 2階C4列1−番
 指 揮
 ソプラノ
 メゾ・ソプラノ
 混声合唱
エリアフ・インバル
澤畑 恵美
竹本 節子
二期会合唱団
 ・マーラー       交響曲第2番ハ短調「復活」
7月の山形と仙台の追体験を目論んで来ました。でも、思ったとおり都会特有の安穏な雰囲気でした。
素晴らしい演奏なのに、好きな楽章なのに、前半3楽章が心に響かない。
Urlichtの独唱が静かに響くと、空気が一変。やっと縄跳びの中に入れたような気がしました。
でも、仙台を聴いた後、それをしのぐ演奏は(自分の心の中では)もうありえないのではないか、そう思い返して会場を後にしました。
   
 2012.10.27(土)
     15:00
インバル=都響
新マーラー・ツィクルス 第T期  ツィクルスV
横浜みなとみらいホール 大ホール    S席 2階C2列1−番
 指 揮
 メゾ・ソプラノ
 女声合唱
 児童合唱
エリアフ・インバル
池田 香織
二期会合唱団
東京少年少女合唱隊
 ・マーラー       交響曲第3番二短調
生で聴いた方が絶対に面白い曲。全曲100分という演奏時間も、6曲対の交響詩を聴いている気になれば、意外と長くは感じない。
前回もそうだったが、終楽章の最後のクライマックスでは、「まだ終わらないでくれ」という気分にさせられます。
 
 2012.11.10(土)
     15:00
札幌交響楽団 第554回定期演奏 札幌コンサートホールKitara   SS席  1階12列1−番
 指 揮

 ピアノ
尾高 忠明

ジョン・リル
 ・ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 作品73 「皇帝」
 ・エルガー    交響曲第1番変イ長調 作品55
札幌Kitaraでは、2度目。「皇帝」はよかった。
エルガーはマイナー。スコアをたどりながら聴いていましたが、これがなかったら音楽のどの位置で聴いているのか見当もつけられなかったと思います。
音響は素晴らしかった。演奏も緻密に表現されていてよかったと思います。 
 
 2013. 3.16(土)
     15:00
仙台フィルハーモニー管弦楽団
 第272回定期演奏会  
仙台市青年文化センター コンサートホール   S席 T列1−番
 指 揮 パスカル・ヴェロ  ・ルーセル      バレエ音楽「くもの饗宴」作品17
 ・プロコフィエフ   組曲「キージェ中尉」作品60
 ・ラヴェル      「ダフニスとクロエ」組曲第1番・第2番
「ダフニスとクロエ」 四管編成の音の奔流に身を任せました。
特に第二組曲は、フルートパート四人のための音楽と言っても言い過ぎではなく、
ピッコロとアルトフルートを従えての軽妙、絶妙な絡み合いは、まっこと背中ぞくぞくっとくる名人芸でありました。
キージェ中尉のトロイカのピッコロもかっこいいねえ。
   
 2013. 4.27(土)
     14:00
日本フィルハーモニー交響楽団
 第649回定期演奏会
サントリーホール(東京・赤坂)  A席 2階C 列−番
 指 揮 ピタエリ・インキネン  ・シベリウス     交響曲第3番ハ長調 作品52
 ・シベリウス     交響曲第6番ニ短調 作品104
 ・シベリウス     交響曲第7番ハ長調 作品105

交響曲が第3番でしょ! 第6番でしょ!!
自分の好きな曲が並んでいるので、これを聴きに行かない手はない。

素朴な第3番。第2楽章では、独り暮らしの宿に帰る氷雪の夜道の風景を思い出して、涙がこぼれてしまった。
隣に座っていた東京あたりの人は、なんでこんなところで泣いているんだろうと不思議に思ったかも・・・

繊細な輝かしさの第6番。晴天の休日、蔵王にスキーしに行くときにかける曲。
第1楽章は、のびやかでハッピーな曲想第2楽章は、樹氷原。第3楽章は、雪の結晶の踊り。終曲は、夕暮れのゲレンデ。

ああ、山形でもまた聴いて
みたいものです。
 
 
 2013. 8.24(土)
     16:00
「むかしむかしの素敵なピアノ展」
  サロンレクチャーコンサート
 
「月の光に誘われて
      〜エラール・ピアノとフランスのうた〜」

ヤマハ銀座6Fコンサートサロン   自由席

 ピアノ

 ソプラノ
 
小倉 貴久子

野々下由香里
 ・アーン     「私の言葉に羽があったなら」  「クロリスに」
 ・フォーレ    「夕べ」  「月の光」  「夢のあとに」
 ・ラヴェル    組曲「クープランの墓」より
             前奏曲・メヌエット・トッカータ※
 ・ドビュッシー  「美しき夕べ」
           「月の光」〈みやびやかな宴 第1集〉
           「月の光」〈ベルガマスク組曲〉※
           「喜びの島」※
 ・サティ      「ジムノペディ第1番」※
           「エンパイア劇場の歌姫」
           「ジュ・トゥ・ヴ」 
     (※ ピアノソロ)

私の所属する地元の音楽鑑賞サークルで、大きな話題になっていた催事。
「私も行ってきたよ」という声があちこちから聞こえてきたので、私もはるばる(?)ここまでやってきました。

夜になるといっつも月ばっかり見ていたので(爆)、なか
なか心にしみるひとときでした。
ラヴェル、ドビュッシー、サティと、エスプリの利いた、とっても聴きごたえのある演奏でした。

特に、ラヴェル「クープランの墓」のトッカータに夢中。その後ほとんど毎晩、これを聴かないと眠れないというのが続きました。
左手人差し指と右手で始まる同音連打、繊細な刺繍を施すようにも、精緻なレースを編むようにも見えます。かなり難しそう。


今更ながらではあるが、「ピアノを弾ける人はすばらしい!」

 
 
 2013.11. 2(土)
     15:00
インバル=都響
新マーラー・ツィクルス 第U期  ツィクルス6
横浜みなとみらいホール 大ホール   S席 2階C1列0−番
 指 揮 エリアフ・インバル  ・マーラー       交響曲第6番イ短調
やはり、第3楽章 Andante Moderato 
音楽の波がよせてはかえし、自分の心が、砂でつくった山のように、すこしづつ崩されていく。ついには、涙腺がもみくちゃにされてしまう。
 
2013.12.21(土)
     15:00
山形交響楽団 特別演奏会 那須野が原ハーモニーホール大ホール
 指 揮

 ヴァイオリン

 オルガン
   
大井 剛史

クララ=ジュミ・カン

ジャン=フィリップ
 メルカールト
 ・ヴァーグナー   楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
              第一幕への前奏曲
 ・チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品35
 ・サン=サーンス  交響曲第3番ハ短調作品78
              「オルガン付き」
  那須野が原ハーモニーホール。この年に本格的なオルガンを装備したことを記念する演奏会。
 クララ=ジュミ・カンのヴァイオリン・ソロ、じゃじゃ馬っぽくて面白かった。
 サン=サーンスの交響曲は3管編成なので、山響単独では人数が足りない。見たところ、管楽パートの半分くらいはエキストラが入っていたかも。
更にピアノ連弾と本物の(これが重要)オルガンの響きが加わって、荘厳かつダイナミック。

 なお、終演後のプロムナード、敷地内のイルミネーションも素晴らしい。ここにはこれを観るためだけに訪れてもいいかもしれない。
 
 2014. 6.28(土)
     14:00
日本フィルハーモニー交響楽団
 第661回定期演奏会
サントリーホール(東京・赤坂)  A席 2階C 10列1−番
 指 揮 ピタエリ・インキネン  ・シベリウス     交響詩「夜の騎行と日の出」作品55
 ・マーラー      交響曲第6番イ短調 
2014. 6.28(土)
     18:00
山形交響楽団
 さくらんぼコンサート2014
東京オペラシティコンサートホール(東京・初台)
                       B席 P列1−番
 指 揮

 フルート
飯森 範親

南部やすか
 ・シューベルト   交響曲第7番ロ短調D.759 「未完成」
 ・ドヴィエンヌ    フルート協奏曲第7番ホ短調
 ・ベートーヴェン  交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」

コンサートのハシゴ
何だろう。マーラーの第6番は、アンダンテ・モデラートが大好きで、実演ではいつも涙を流しているのですが、今回は初めから号泣状態。なんぼちり紙があっても足りないくらいだった。周りの人たちに迷惑かけたかも・・・

というか、周りでも「この日のマーラーは凄い演奏だ」という評価になっていたらしい。
最近涙もろくなったことを、もう一つ白状すると、「英雄」の第二楽章でも、ちり紙、結構使いましたよ。
どちらも、ホールがいいので、いい演奏であればあるほど、さらに磨きというか、艶というか、ふっくら感というものが加わって、聴いていて至福。

 
2014. 9.19(金)
     18:45
広島交響楽団
 第342回定期演奏会
広島文化学園HBGホール(広島) 席 2階 列−番
 指 揮

 ピアノ
大友 直人

田辺 京子
 ・モーツァルト    ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
 ・ブラームス     交響曲第1番ハ短調 作品68
広島交響楽団の定期演奏会を聴いてきました。
とっても素晴らしい演奏♪
広響ファンズの方々との、その後の歓談の席にて。
松茸入りのすき焼きとか土瓶蒸しを、おいしくいただきました。...
山形弁をぶちまけて、楽しいひとときでした。
広島の皆さん、ありがとうございました。
 
2014. 10.19(日)
     15:00
日本センチュリー交響楽団
 東京特別演奏会
サントリーホール(東京・赤坂)  席 2階 列−番
 指 揮
 共 演
 ソプラノ
 メゾ・ソプラノ
 合 唱



 管弦楽
飯森 範親
山形交響楽団
安藤 赴美子
アンナ クオ
大阪センチュリー合唱団
山響アマデウスコア
混声合唱団コーロ・フォレスタ
大阪音楽大学合唱団
日本センチュリー交響楽団
 ・マーラー       交響曲第2番ハ短調「復活」
  
 
2015. 7. 4(土)
     13:30
NIPPON SYMPHONY CONCERT
                    Vol.23
東京芸術劇場(東京・池袋)  SS席 1階 J列1−番
 指 揮

 ピアノ 
 ヴァイオリン
 チェロ

 ソプラノ
 メゾ・ソプラノ 
新田 孝

田中 照子 ※
岩田 恵子 ◎ 
宮坂 拡志 ◎

佐藤 容子(Sugar Sisters) 
佐藤 寛子(Sugar Sisters)
 ・ショスタコーヴィチ  ピアノ協奏曲 第2番 作品102 ※
 ・ブラームス   ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 
                            作品102 ◎

   
〜至高のハーモニー Sugar Sistersと共に〜
    −魅惑のオペラ−
 
・オッフェンバック   「ホフマン物語」より ”ホフマンの舟歌”
 ・ビゼー         「カルメン」より ”ハバネラ”
 ・プッチーニ       「ジャンニ・スキッキ」より ”私のお父さん”
    −かくも美しいニッポンのうたコレクション−
 ・浜辺の歌  ・旅愁  ・冬の夜  ・花の街  ・椰子の実
 ・さくら貝の歌  ・津軽のふるさと  ・故郷
    −アンコール−
 ・昴(谷村新司)

ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第2番は、ディズニーのアニメーション映画「ファンタジア2000」では、鉛の兵隊の話と組み合わされて、見事な小品になっています。このお気に入りの協奏曲、やっと実演に接することができて、すごくエキサイティング。ほんとよかった。
ブラームスも二人のソロの掛け合いが緻密で聴きごたえがありました。
この日のメインは、後半のシュガーシスターズのステージ。管弦楽との共演は初めてだそうです。
オペラのアリアと日本の歌、童謡、唱歌から。とっても華やかなステージでした。応援しています。
 
 
2015. 8. 2(日)
     16:00
山形交響楽団 特別公演 新発田市民文化会館(新潟)  席 1階 列−番
 指 揮

 ピアノ 
大井 剛史

木米 真理恵  
 ・モーツァルト    歌劇「フィガロの結婚」序曲 K.492
 ・モーツァルト    ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
 ・ベートーヴェン   交響曲第7番イ長調 作品92

毎週日曜日の山形交響楽団三昧!
 ○7月19日 第246回定期演奏会(山形テルサ)
 ○7月26日 ユアタウンコンサート(米沢市 伝国の杜)
 ◎8月 2日 「真夏の音楽祭」特別公演(新発田市民文化会館)
 ○8月 9日 庄内定期演奏会 第24回鶴岡公演(鶴岡市中央公民館)

で、各回、演奏曲目が全部違う。
 交響曲も、私の大好きな曲ばっかり「イタリア」「田園」ブラームス第2番、ベートーヴェン第7番、モーツァルトの第25番・「プラハ」
 協奏曲も、パガニーニ第2番、モーツァルトPf第20番(第2楽章中間部の広大無辺な宇宙空間!)、ダヴィッドのトロンボーン。
新進気鋭のひたむきな演奏に、私の魂、どっかに飛んでいきました。
 鈴木秀美さん、大井剛史さん、飯森範親監督 ぶらぼ。
 それにしても楽団員の方々、遠路はるばるの移動、毎回違うプログラムで、大変だったのでないかと思いながら、毎回きっちりと好演をたたき出すあたりさすが。
お疲れ様でした。

 
2015. 8.22(土)
     14:00
ベートーヴェン交響曲連戦演奏会vol.2
 
「ベートーヴェンとナポレオン」
久慈市文化会館(アンバーホール)大ホール(岩手)
                   席 1階 列−番
 指 揮
 ヴァイオリン
 チェロ
 ピアノ
 管弦楽
 監 修 
茂木 大輔   
山根 一仁 
上野 通明 
石田 啓明
山形交響楽団
永峰 高志
 ・ベートーヴェン  「プロメテウスの創造物」序曲 作品43
 ・ベートーヴェン  ピアノ・ヴァイオリン・チェロのための三重協奏曲
                      ハ長調 作品56
 ・ベートーヴェン  ヴァイオリンソナタ第9番 イ長調 作品47
                      「クロイツェル」 第1楽章
 ・ベートーヴェン  交響曲第3番 変ホ長調 作品55

ステージに大きなスクリーンが吊るされていて、曲目解説とか、楽団の普段の練習風景など親しみやすく紹介していた。
山形の定期演奏会ではやったことのない、結構手の込んだ演出。山形県外の催し、わざわざ出かけるだけのものがあると思う。
それはそれとして、「英雄」の第二楽章は葬送行進曲。今、これを聴いている土地が4年前に大波を被った地域だと想いを巡らせたら、涙が止まらない…

 
2015.11. 8(日)
     14:00
日本フィルハーモニー交響楽団
 第675回定期演奏会
サントリーホール(東京・赤坂)  A席 2階C 11列2−番
 指 揮
 テノール
 バリトン
ピタエリ・インキネン
西村 悟
河野克則
 ・シベリウス     歴史的情景 第1番作品25
 ・シベリウス     組曲「ベルシャザールの饗宴」
 ・マーラー      交響曲「大地の歌」 

 シベリウ150歳の誕生日を前にして。
「歴史的情景 第1番作品25」と組曲「ベルシャザールの饗宴」。それぞれ南欧や中東の異国情緒を描いた曲を含む。へえ、こんな作品もあったんだね。と感嘆。

 ここからは余談。
 さて、御多聞に漏れずシベリウスの聴き始めは「フィンランディア」でした。高校生のころカラヤンのLPを買って聴いたのですが、しかし「悲しきワルツ」「トゥオネラの白鳥」と「タピオラ」が入っていて、シベリウスって暗くて重いのね、という先入観がこれで確立しました。交響曲第1番はよく聴いていたものの、しばらく食わず嫌いになっていました。...
 あるとき、バーンスタイン指揮の交響曲第5番のCDを聴いて、目から鱗。広大無辺で爽快。北国の夏の風景すら脳裏に見えてきました。それがきっかけで第6番、第3番、ヴァイオリン協奏曲、カレリア組曲と、お気に入りが少しづつ増えていきました。自分は雪国に住んでいます。冬はつらいとばかり思っていたのが、シベリウスを聴いていると、「雪国の生活もまんざら悪くはないよね」と思えてしまえる、そんなご利益(?)がありましたね。

 で、最近になって、先日の日フィルの演目とか、「森の精」とか「クリスチャン2世」とかあまり知られていない作品に、明るく朗らか、快活な曲調のものが多いと気づきました。若いころにこれらの曲に接していたら、シベリウスをめぐる色彩感は、全然違ったものになっていたかもしれないなあ。

あと、「大地の歌」であすよ。これこれ。上京してマーラーを聴くこと、かれこれ10年以上の遍歴を重ねてきたけれど、この曲目だけは、全く当たりがなく、実はこの日が、初めての実演。
当初、予定されていたソプラノのヘレナ・ユントゥネン氏が出産を控えて、バリトン河野克典氏に変更。男性ソロが2人で演奏。珍しい形態。
二週間後の仙台フィルの定期演奏会でも「大地の歌」を聴くことになっていて、実はこちらも、男性2人ソロで演奏することになっています。
本当のことを言えば、女声と男声が交代で歌ったほうが、コントラストを愉しめたのになあ。
四巻編成のオーケストラをバックにして、パワフルな歌唱でした。
ヘレナさんには、元気なお子さんを連れて、ぜひ日本においでくださいな。お待ちしております。

 
2015.11.21(土)
     18:45
群馬交響楽団 第518回定期演奏会
  創立70周年記念演奏会メイン公演
群馬音楽センター(群馬県高崎市)   席  列−番
 指 揮

 ヴァイオリン
大友 直人

諏訪内 晶子
 ・芥川也寸志    交響管弦楽のための音楽
 ・ベートーヴェン   ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品61
 ・デュティユー    交響曲第1番
デュティユーの交響曲、なんとなくメシアンのトゥーランガリラ交響曲に雰囲気が似ているなあという印象。
 
2016.2.20(土)
     19:00
舘野ファミリー&フレンズ
 スペシャルコンサート2016
逗子文化プラザホール(神奈川県逗子市)  自由席  
 指 揮
 ヴァイオリン  

 ピアノ   

 管弦楽
舘野 英司
ヤンネ舘野  ※1
前澤 均    ※1
関田桂子   ※2
舘野 泉    ※3
舘野フレンズオーケストラ
 ・バッハ   二つのヴァイオリンのための協奏曲BWV1043 ※1
 ・宮下秀樹  ピアノと弦楽のための幻想曲(新作委嘱) ※2
 ・塚本一実  天界飛翔
           〜左手のピアニストと弦楽オーケストラのために〜 ※3
 ・エスカンデ アンティポダス
           〜ファンタジア・コンセルタンティ〜 ※3
 
2016.4.10(日)
     14:00
舘野ファミリー&フレンズ
 スペシャルコンサート2016   
北上市文化交流センター さくらホール(岩手県北上市) 自由席  
 指 揮
 ヴァイオリン  

 ピアノ
   

 管弦楽
舘野 英司
ヤンネ舘野  ※1
前澤 均    ※1
阿部美礼   ※2
関田桂子   ※3
舘野 泉    ※4
舘野フレンズオーケストラ
 ・バッハ   二つのヴァイオリンのための協奏曲BWV1043 ※1
 ・モーツァルト  ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.466 ※2
 ・宮下秀樹  ピアノと弦楽のための幻想曲(新作委嘱) ※3      
 ・エスカンデ アンティポダス
           〜ファンタジア・コンセルタンティ〜 ※4
 ・カッチーニ   アヴェ・マリア ほか1曲 (アンコール)
    
   
2016.7.31(日)
     16:00
山形交響楽団 新発田公演  新発田市民文化会館(新潟)  席 1階 列−番
 指  揮    
  
 クラリネット  
山下 和史

川上 一道
 ・モーツァルト  ディベルティメント ヘ長調K.138
 ・ウェーバー   クラリネット協奏曲第2番 変ホ長調作品74
 ・ベートーヴェン 交響曲第6番 ヘ長調作品68「田園」
 ・シベリウス   アンダンテ・フェスティーヴォ(アンコール)
    
   
2016.9.17(土)
     16:30
京都市交響楽団創立60周年記念
 魚津特別公演
 
新川文化ホール(富山県魚津市)
 指 揮 

 ヴァイオリン  
下野 竜也

三浦 文彰
 ・シューマン   ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
 ・マーラー    交響曲第1番 ニ長調「巨人」
 ・服部隆之    NHK大河『ドラマ「真田丸」メインテーマ
            (アンコール)
   
2016.9.18(日)
     14:00
上越交響楽団 第77回定期演奏会 上越文化会館(新潟県上越市)
 指 揮 
 ピアノ     
長谷川正規   
山形 明朗
 ・ニコライ     歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲
 ・ラフマニノフ   ピアノ協奏曲第2番ハ短調作品18
 ・ブラームス   交響曲第4番ホ短調作品98
   
 2016.11.19(土)
     16:00
名古屋フィルハーモニー交響楽団
 第440回定期演奏会
愛知県芸術劇場コンサートホール  
   指 揮 
 ピアノ 
小泉 和裕
ゲルハルト オピッツ
 ・ブラームス     ピアノ協奏曲第1番ニ短調 作品15
 ・バルトーク     管弦楽のための協奏曲 Sz.116
    
   
2017.9.14(土)
     17:30
ナイト・ミニコンサート  国立西洋美術館
   弦楽四重奏
東京都交響楽団メンバー  ・J.シュトラウス  ワルツ「春の声」作品410
 ・J.S.バッハ  小フーガ ト短調
 ・J.S.バッハ  カンタータ第147番「主よ人の望みの喜びよ」
 ・ハイドン    弦楽四重奏曲第77番ハ長調作品76-3
               「皇帝」 第2楽章
 ・モーツァルト  アイネ・クライネ・ナハトムジーク 
               ト長調K.525 第1楽章・終楽章
 ・ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第11番ヘ短調「セリオーソ」
               作品95 第1楽章
 ・クライスラー  愛の喜び&愛の悲しみ 
    
   
     
       
    
   
     
       
    
   
     
       
    
   
     
       
    
   
       
       
       


上に戻る

ホームに戻る